信じられない。









 服部が、俺との約束をすっぽかした。







Pink Confusion








『すまん! ほんとーに、すまんって!』

「知るか」



















 寒かった。

 

 3月になったばっかりの土曜日。

 こいつから、買い物につき合ってくれと言われたのだ。



















 なのに。









 ・・・・・・・こいつは、約束の1時になっても2時を過ぎても姿を現さなかった。

























 池袋の東急ハンズ入り口前。

 雨の降りそうな、薄暗い空だった。





















「もう来ないんだろ。帰る」

『ちょお待て切るな!』









 新一は、平次の言葉を最後まで聞かずに電話を切る。

 そして電源さえも切りポケットに放り込んだ。



 ・・・・小さな雫が、頬にあたった。

















 

 見上げた空から、ぱらぱらと落ちてくるものは雨。























「とうとう降って来ちゃったな」













 ポツリとそう漏らすと、駅の方へ足早に歩を進めた。































 事件が起こったのかと思った。

 事故が起こったのかとも思った。



 でも、携帯は通じず不安が募るばかりで。















 別に、怒っちゃいなかった。

 











 服部の事だ。

 何か理由があってのことだろうし、その場合必ず携帯に連絡が入るはずなのだ。




 どんなに遅れても、走って約束の場所に現れて、思いっきり俺に頭を下げて謝って許しを乞うだろう。







 でも。





























「・・・なんだよ・・・・・誰だよ『サクラコ』って・・・・」






























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 平次がやっと連絡して来たのは、4時も30分を過ぎた所だった。


 サンシャイン側の石の縁に腰を下ろして珈琲で暖をとっていた所に、やっと待ちわびていた液晶が赤色の振動。




 

 何かあったに違いないと、心配で不安で頭がいっぱいだったから、急いでボタンを押した。

 ところが電話に出た瞬間、電波の具合と平次の言葉が新一は信じられなかった。

















『ホンマごめん! つい忘れとった』

「忘れてただと!?」























 ────────・・・・・・・事件が起こった訳でもなく、事故に遭った訳でもなく。




 ただ『忘れてた』と、あいつは言った。





















『実はな・・・・うわ桜子!! そんなトコ舐めんでええって!』

「!?」























 電話は平次の自室からだった。

 あいつは約束を忘れてて思い出しても、こっちに向かおうともしてなかったのだ。













 それだけでも充分新一には怒りの対象になったのに、次に出てきた聞いたことのない女の名前。



 確か、『サクラコ』。

























 ・・・・・舐めてる・・?





 そんなトコって、どんなトコだ・・・・?























 日が傾きはじめて雨も降りそうな中。

 ハッキリ言って寒いことこの上ないこの状況の新一だったが、一気に体温が怒りのため上昇した。























「──────・・・言いたいことは、それだけか」


























 明らかに新一の声のトーンが下がった。

 素早く、平次もそれを察知する。













『すまん! ほんとーに、すまんって!』

「知るか」











 心配した自分がすごく馬鹿みたいに思えた。

 つまり、服部はその女と今まで一緒に居て、自分からした俺との約束も忘れてて、何かの拍子に思い出して電話をしてきたと言うことか。



 その後なにか服部は言おうとしてたけど、俺は聞きたく無かった。


 だからさっさと電源を切ったのだ。






























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 雨足が強くなってきた。

 晴れない心と同調するかのようなこの天候に、自嘲気味に笑みを漏らして、新一は駅へと入っていった。







 地元の駅に着いた頃には、既に真っ暗だった。

 雨は上がったようだが、曇っているせいで月は見えない。



 改札口を抜けて横断歩道を渡ろうとしたところで、誰かに腕を掴まれた。



















「工藤!」

















 振り向くと、そこに何故か平次がいた。



























「・・・・・」















 新一は、振り解こうとしない代わりに、何も喋りもしない。

 『何の用だ』と問いかけるキツイ眼差しで、黙って平次を見ている。




 平次はそのまま腕を引っ張り、少し離れた所に止めてある車に新一を押し込んだ。

 それでも新一は、黙ったままだ。



















「・・・・・・今日のは俺が悪い。すまん。どないすれば機嫌直してくれるんや?」



















 あの電話の後いくらかけても携帯は通じない。

  平次は速攻で車を走らせて、なんとか新一を駅で捕まえることが出来た。



 新一は、スウェットにパーカーという部屋着定番スタイルの平次をちらと見る。

 それは、気を使わなくてもいい人間の前でだけ見せるもの。



 着替えもせず、このままの格好で自分を追いかけて来てくれたのは、はっきり言って嬉しかった。  

 でも。





















 ・・・・・・その格好を、『サクラコ』の前でも見せていたと言うことだ。






























 いつの間に。



 いつの間に服部の中に、その女は住み始めたんだろう。

















 今まで一緒にいて、ちっとも気付かなかった。



 だって、あいつはいつだって、どんな時だって俺を見ていたのだ。































 刺すような視線で。

 出逢った時からずっと、変わらない鋭さで。





















 ・・・・そう。

 まさに今、こうやって俺を覗き込むのと同じ視線で。



























「・・・言い訳、してもええか」















 どんな理由があろうと、遅刻をした事実は変わらない。

 忘れていた事実は変わらない。









 平次は弁解が嫌いだったから、ひたすら謝るしかないと思っていた。

 しかしどうも、新一の様子がそれだけが理由で不機嫌ではないと感じたのだ。



 だから弁解がましくなろうとも原因、結果をはっきり言っておこうと思いそう聞いた。





















 相変わらず新一は黙ったままだ。

 平次は、そろそろと話し出した。



















「昨日俺、半ドンで帰ったやろ? あの後、オヤジの用事で親戚のおばちゃんトコ行ったんや。そこで・・・・・・ちょっと一目惚れした奴おってな」





















「・・・・・え」

















 どくんと、自分にもハッキリと心臓の音が聴こえた。























 頭で繰り返される言葉。

 あまりにも予想した通りの言葉。



















『・・・ちょっと一目惚れした奴おってな』 

























 息が出来ない。

 思考回路が正常に働かない。

























 ・・・・どうして、そんな事をさらっと言うんだ?





























 好きだと言った。

 何度も何度も。それこそ文字通り何度も。



 囁かれた新しい記憶は、つい一昨日の事なのに。

























「あんまし可愛いから、つい」


「降りる。じゃあな」























 たまらず新一はドアに手を伸ばした。



























 もういい。



 ・・・・・・もう、何も言って欲しくない。





























「工藤!!」











 開けようとした手を、後ろから平次の手が止めた。





















「・・・・・すまん。もうほんっとに謝るしかない思てる」

















 触れた指先から感じる震え。

 薄闇の中でゆっくりと向けられた瞳は、無表情で平次を見た。





















「もう、いい」



















 自分でも驚くほど、波立つ心音。





















「・・・・こんな事、初めてだったから、事故にでも遭ったのかと思って心配しただけだ。何にもなくて、良かった」

「工藤」

「だからいい。怒ってる訳じゃない」

















 でも、それを悟られてはいけない。











 平気だ。

 俺は、平気。

































「今日は帰る」 























 ・・・・・こいつに逢うまでは、こいつを知らなかったのだから。

































「頼むわ・・・今日の鍋の材料、買い込んどんのや。俺1人じゃ、食い切れへん」
















 平次は、視線を落としてそう呟く。

 その姿は叱られた子犬の様だ。





 新一は掴まれていた腕を振り解く。





















 ──────・・・その『サクラコ』と食えばいいだろ。






























 そう。



 『サクラコ』の待っているだろう部屋に、どうして俺を連れていこうとするんだろう。

 紹介でもしてくれるというんだろうか?





















 ・・・・そうかよ。そういう気かよ。



 なら、その『サクラコ』とやらの顔を拝ませてもらおうじゃねえか。





























「解った・・・・・けど、まだ許した訳じゃないからな」

















 突然戻った新一の瞳の鋭さと口調に、平次は一瞬たじろぐ。

 しかしすぐさまサイドブレーキを下ろし、気が変わらない内にとマンションへと急いだ。


































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 もうすぐ着く。

 あの角を曲がって信号を抜ければ、大きな建物が見えてくる。



 新一は、自分の心臓がこんなに脈打つのを初めて知った。











 平次は走行中、ひとことも喋らない。

 今まで、こんなに沈黙が息苦しい事は無かった。















 ・・・・・喉が、渇いていた。































「ダッシュボードん中。開けてみ」

「へ?」













 平次の突然の言葉に、最初何を言われてるのか解らなかった。

 お茶缶がひとつ入っていた。















「ぬるいけど、お茶やし構へんやろ」


「何で俺が――――――・・・・・・喉渇いてんの、解ったんだ」

「そんなん、お前見とれば解る」

「・・・・・・・運転中によそ見すんな」 





















 どうしてこの男は、いいタイミングでいつも俺を助けてくれるのだろう。















 欲しいときに、欲しい言葉を。

 して欲しいときに、して欲しい事を。





















 ──────・・・・・だから、俺はつい甘えてきてしまったのだ。 





























 やがて車は地下の駐車場に入った。

 指定の場所に止まると、エンジンを切る。





















「ん? ・・・・なに、飲んでないやん」

「あ」















 つい考え事をしてたから、お茶を飲むのを忘れていた。

 そんな自分がなんかすごく恥ずかしくて、新一はかーっと顔を赤くした。



















「貸し」













 平次は新一から缶をもぎ取ると、ぷしゅと開けて自分で一口飲む。

 その次に、もう一度口に含むと、今度は新一の襟元を掴んでぐいと引き寄せた。




 生ぬるい感触が喉を通ってゆく。

























 ごくりと。



 新一が大きく喉を鳴らしたのを感じると、平次は唇を離した。

























「・・・・何や今日の工藤、ちょっと違う」



















 平次は少し息が上がってきている様だ。 

 目の色が、欲情を帯びてきた。



 新一にしてみれば、もう平次とこんな事をすることも無いかもしれないのだ。

 その心の葛藤が表情に出て、平次を煽っていた。















「そりゃそうだ・・・・俺はまだ、お前を許した訳じゃないって言ったろ」

「せやけど嫌がってない」















 それは計算もあった。

 新一は、明らかに誘いの表情を平次に向けている。



















「・・・・・・・そう見えるか」


「ええんやな」



















 新一は、黙って瞳を閉じた。































 最後かも知れない。

 頭の中でその事だけが繰り返す。



 人の手が気持ちいいのも、体温が心地よいのも、教えてくれたのはみんな目の前のこの男。
























 音にせず耳元に囁く声。



 何度も何度も、今日もまた聴かせてくれる言葉。

 ひっそりと静まりかえった駐車場で時折揺れる車体。

























 ・・・・・とうとう新一は、声を上げずに果てた。

































 一気に感じる冷気に身体をしまい込む。



 そして、自分から仕掛けたとは言え、他に惚れた女が出来たはずの平次が迷いもなく自分を抱いた事に、新一は少なからずショックを受けていた。


































 ───────・・・・・どういうつもりなんだ? 服部。
































 複雑な想いを抱えたまま、平次の部屋の入り口に辿り着く。

























「あいつ・・・・おとなしゅうしとるとええけど・・・・」

「え?」















 鍵を開けながら漏らした平次の言葉。

























 そんなに落ち着きのない女なのだろうか・・・・・・・



























 新一は、平次の呟きから『サクラコ』像を考える。

 しかし入って見た玄関には、どう見ても女物の靴が見あたらない。

























 ────────・・・・・?





























 まさか、わざわざ靴を隠す芸当を平次がするとも思えない。


 そのとき奥の方から何かガタガタと物音がするのが聞こえた。





























「ああああ! やっぱし暴れとるなあ・・・・・」






















 ────────────・・・・・・暴れる??























 ますます『サクラコ』像が想像できなくなった新一は、平次に続いて奥へ入っていった。

































 だんだん聞こえてくるのは何かの鳴き声。

 そしてとうとう新一は、対面を果たしたのである。

























「こら! 今出したるから、ひっかくなっちゅーの桜子!!」

「・・・・・ね・・・こ・・・?」





















 駆け寄った平次が抱え上げたものは、キャリングケース。

 中には、まだ仔猫のアメリカン・ショートヘアが一匹、出口を求めて暴れていた。




















 入り口をそっと開けて中から出してやる。

 途端に仔猫は、猛ダッシュで部屋を駆け回り隅っこからこちらを睨んだ。



 平次がそっとしゃがみ手招きすると、おずおずと歩いてきてその手の中に収まる。

























「こいつが桜子や。可愛ええやろ?」





















 くりくりとした瞳が、新一を見つめる。





 ・・・・・途端に、新一はその場に腰を抜かしたようにへたりこんだ。































「どないした。猫、苦手な訳やないやろ」

「い、いやちょっと」

「親戚のおばチャンにもろたんや。ちょうど飼い主、捜しとったらしくてな・・・3匹居ったんやけど、こいつ、俺ん側から離れんのや。めっちゃ気に入ってしもた」

















 なんなんだろう。こいつのこの、無邪気でとろけそうな顔は。




 そしてなんだったんだろう。俺の今までの葛藤は・・・・・・



















「女の子でな。桜の木の下でいっつも遊んどるから、『桜子』って言うんやて。ほれ桜子、お前も工藤に挨拶せえ」





























 そうして、平次は新一に桜子を預けた。



 ふわふわとした、グレイの斑の毛皮に包まれた仔猫は結構な美人で、最初新一の腕の中で逃げるように藻掻いていたが、そのうち気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らした。 











「すまんなーほんと・・・・こいつ昨日の晩連れて帰って来てから、慣れない部屋だからもう走り狂って追っかけっこや。トイレは覚えさせなアカンし、変なトコで爪研ぐしで・・・こいつが疲れて眠ったの朝の5時やで?俺もぐったりで起きたら3時過ぎで・・・それもこいつが、俺ん顔踏んずけたから気ぃついたって訳なんや・・・・それから部屋ん中片づけて、また相手しとって時計見て、お前との約束思い出して、飛び上がって電話したんや」

「・・・確かに、すさまじい状態だな」















 いつもなら、いくら散らかっているといってもそれなりに片づいていた平次のリビングは、まるで泥棒が入った後のように足の踏み場もない。

 桜子は、自分は知らないといった様に、にゃあおと鳴いて新一にすり寄った。
















「あ。なんや桜子! 工藤にばっかええ顔して!」

「お前が好きなんだな」





























 かまって欲しくて。

 いつもこっちを見ていて欲しくて。



 だから、我が儘をしてしまうのだ。

























『実はな・・・・うわ桜子!! そんなトコ舐めんでええって!』

























 自分がやきもきした、平次の言葉を思い出す。


 あれは桜子に、足の裏でも舐められたに違いない。



 部屋に入ると装飾品の類は全てはずし、部屋着に着替えて靴下も脱ぎ捨てる平次。

 電話の最中あぐらをかいているところに桜子がやってきたんだろう。











 もしかしたら、新一に電話している平次に、桜子がやきもちを焼いていたのかもしれない。



























「・・・そっか。お前も服部が好きか」

























 新一は、ぽつりと平次には聞こえないぐらい小さな声で呟く。  

 くるりと桜子を抱えたまま平次を向くと、そのまま上目づかいに睨み付けた。

























「一度だけだからな。今度俺との約束すっぽかしたら、もう許さないぞ」

































 ・・・・・・勘違いで良かった。



 まだ、一緒にいられる。









 その新一の言葉に、平次の表情はあからさまに明るくなる。























「・・・工藤」

「もう、あんな想いで待ってるのも、寒いのもごめんだからな」



















 来れないのなら別にかまわない。

 ただ、連絡が欲しいだけ。















 ・・・・忘れられて放っとかれるのが、一番堪えるから。





























「携帯の電源くらい、いつも入れとけ」

「解った。昼も夜もいつも付けとく」

「・・・ほんとかよ」

「電波の届かないトコは、堪忍な」

























 それはしょうがないけど・・・・

 新一は、笑みを漏らす。













 なんか、今までで一番我が儘を言っている気がする。



 そんな自分に少し驚きながらも、嫌がっていない平次に安心する。

































 ふと。



 ・・・・・2人の視線が絡み合い、止まる。



























 そして、近づく気配に瞳を閉じる。

 触れるだけの口付けは、ますます喉を渇かせた。























 ───────・・・・・その時、新一の喉を桜子がぺろりと舐めた。




























「ひゃ!」

「わ」









 くすぐったい感触に驚き身体を離す。

 突然つき飛ばされて、平次はバランスを崩しかけた。






 桜子は、くりくりとした瞳できょとんと新一を見ると、そのまま腕を離れソファに乗った。 

 喉を押さえたまま、新一は顔を赤くする。













「び、びっくりした・・・」

「こら桜子ー!! なんで俺と工藤の邪魔すんねん!」














 平次が桜子の後を追っかけるが、猫のすばしっこさに叶うはずもない。

 やがて息を切らして桜子を抱えて戻ってくると、大きくため息をついて、その場に座り込んだ。















「振り回されてんなー、お前」

「も・・・疲れたわ」

「何言ってんだ。鍋食うんだろ? 早くしねえと終わらないぞ」


















 新一は、乱れ散らかっている衣服や家具を片づけだす。

 平次も、桜子をとりあえずキャリングケースに納め、また騒ぎ出すのを構わずにテーブルの上に置いた。













「お前、ちょおそこで大人しくしとれ」













 それでも暫く藻掻いていたが、疲れたのか静かになった。

 覗くと桜子は眠ってしまったようだ。



















「寝たぞ」

「はー・・・・戦争やで全く」





















 部屋もあらかた片づいたので、2人は早速鍋の準備に取りかかった。



































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「・・・お前、猫くさい」

「え」















 波の終わった微睡みの中。

 平次の腕の中で、新一がぽつりと漏らした。



















「なんかむかつく」

「猫相手に何言うとんねん・・・」

















 素直な新一の我が儘を、平次は嬉しそうな顔で聴く。

















「それに・・・このシーツもなんか・・・」

「ああ、寝るとき一緒やったからな。昨日とか」



















 飼い猫は飼い主と一緒に眠るのが多いと聞いたことがある。 
















 ・・・・・ますます新一は面白くない。



























「何や、妬いとるんか」

「そんなんじゃねえ」

















 そう言いながら、新一は平次にすり寄る。

それはまるで猫の様に。















 平次は、ゆっくり新一の髪をすく。

 気持ち良さそうに身じろぐのを感じ取り、そのまま続けた。























「起きたら、今度こそ買い物つき合うてな」

「ん・・・」





























 返事はもう、眠りの中。











 そのうち聴こえてくる規則正しい吐息。

 感じる新一の心音に、平次も目を閉じた。





























width=”300″ height=”7″ alt=”ひとくぎり” />

































 窓からこぼれる月明かり。

 ・・・・それは今ゆっくりと、2人を包み込む。





















 突然の来訪者は、桜色の瞳をした小さな生命。





































 春の訪れと共に。



 それは、服部の元にやってきた。






















Fin