雨に想う





  本日午後1時過ぎ。

  滝のような雨が、突然降り出しやがった。







「ああああ!! 信じらんねえなもう!」








  平次の車で昼飯を食いに出かけた矢先だった。

  車庫から出る頃に、突然振り出した雨。


  ・・・・それは止むどころか、雨足を弱める気配すら全然見えない。






「走って、5分ってところやな」

「冗談じゃねぇ・・・お前、あそこのコンビニ行って適当に食うもん買って来い」

「なぬ?」






  こんな蒸し暑い日の、しかもまだ午後の講義が残っている平日。

  気持ちの悪い事このうえない。









  ・・・・・濡れるのは、御免だ。









「俺は濡れてもええんかい」

「んな怖いカオすんなって。そしたら、どっか人気のねートコ行って 車ん中で食ってさ・・・・・・食後の運動もしようぜ」











  隣の平次の肩に新一は手をかける。

  いつもの上目遣いで囁きかけ、止めに耳に息を吹きかけた。


  ・・・瞬間びくりと反応し、その後観念して息を吐く。






「・・・・ホンマ、悪魔みたいなやっちゃ」

「不満か?」

「とんでも御座いません。行かしていただきます」

「ん」










  僅かに顔を赤くして平次は車を出す。

  コンビニの駐車場まで動かすと、走って中へと入って行った。


  傘が無いから、当然頭から濡れてしまう。

  新一は何故か・・・満足げに微笑った。















  俺、お前の『濡れ姿』好きなんだよなあ・・・・・・・・
















  あの癖の強い髪の毛が。

  濡れると、色素の濃い肌にぴたりとくっつく。




  雫とのコントラストも綺麗で。













  ――――――・・・新一は、だから平次を行かせた。

















  もちろん、そんなこと言ったら調子に乗るから。

  だから・・・言ったことはないけど。





  やがて袋で身体を覆い、平次は戻ってくる。















「お帰り」

「何やこの雨!? めっちゃ降っとんで!」

「まあまあ、ほら行こうぜ」

「―――――・・・・・・・楽しそうやな工藤」

「気のせいだろ」










  上機嫌な新一を不審に思いながら、平次は車を出す。

  やがて人気のない場所に着くと、ゆっくりシートを倒した。

















  ・・・・・あとは、2人のお楽しみ。





















Fin