First anxious about




 ・・・・・髪を、切った。

































 ちょお、前髪がうっとおしかったし。

 硬いほうだから、動く度に目に刺さるし・・・・









 そろそろ、季節も夏やし。



























 だから、服部平次は髪を切った。


































ひとくぎり



























「・・・お前の目、綺麗だな」

「へ?」

「すげえ安心する・・・・・いてくれて、サンキュウな」















 昨日の、日曜日。

 工藤新一が、何故か高校生の姿に戻った日。



 事件が起きた学園祭で、倒れた新一。



















 ・・・・目を覚まして、黒衣の衣装から着替える為。

 ほんの少し2人きりになった保健室で。





















 ぼそっと。



 背中越しに、呟かれた言葉。















 なんだか『コナン』の時と・・・雰囲気が全然違って。

 2度目の本来の『工藤新一』の姿に平次は・・・





 正直、戸惑いを隠せなかった。



















 思ったより細い身体。

 自分と同じくらいに見えるのに、薄い身体。



 以前、逢った時には気付かなかったが。

























『工藤新一』は・・・・とても綺麗な顔立ちをしていた。





























 『明日ガッコあるんや』と。

 逃げるようにその場を去った自分。



 『何だよ。ウチ、寄ってけよ』と。

 ちょっと拗ねたような顔を見せる、新一を振り切った自分。



















 『服部』と呼ぶ、本当の『工藤』の声。





 それは、信じられない程に・・・・平次の鼓動を早くさせていた。






























ひとくぎり





























 ・・・・・髪を、切った。

















 別に、工藤にああ言われたからやない・・・・と。

 平次は自分に言い聞かせる。













 髪を切ったその日の、夜。































『――――――・・・よお。服部』















 電話口から聴こえてきた、工藤の声。

 それは、聞きなれていた『コナン』のものだったから・・・・・



























 ―――――――――――・・・・・平次は言葉を失ってしまった。



























Fin