Air conditioner





「あっちー・・・・」

「せやな」

「―――・・・暑いんだけど」

「おう、めっちゃ湿度高いらしいで」

「・・・あのなー」















 今日から、もう7月。

 2000年になったかと思ったら、もう半年。



 まだ梅雨は明けないが、気温は確実に『夏』な気配。











 ここは、大阪寝屋川の服部平次の自宅。

 大阪で起きた事件の調査に呼ばれた2人は、この週末を服部邸にて過ごしていた。

























 ・・・今日は、疲れた。





 何より暑くて、体力は太陽に吸い取られた。















 夜は9時を過ぎて、やっと開放された。

 それでも事件はまだ終わっておらず・・・・・・・・続きはまた明日だ。



















「嫌なら振り払えや。蹴りでもええで」

「・・・・リモコンよこせよ」

「?」















 平次の自室。

 座椅子に平次が座り、そのおっぴろげる足の間に新一を挟んでいる。



 背中からダイレクトに伝わる平次の鼓動。

 それと共に、自分よりも高い体温を感じる。



















 暑いのは、嫌いだ。

 ・・・夏は特に、こういう他人の体温は寒気すら覚える。











 けれども。

























 適温に保たれている筈の部屋の冷房。

 新一が暑さに弱いから、今日は稼働しているのだが・・・・









 やがて、涼しくなる室内。

 でも・・・?



















「・・・おえ、コレお前にはちょお寒すぎやないか? 身体冷えるで」

「これで丁度いい」



















 ・・・・・・そう呟くと廻されている手に頬を寄せた。

































「お前の体温があれば、これでいい」





















 嫌じゃないから、振り払わない。

 嫌じゃないから離れない。

























 夏は、苦手だ。

 暑いのは嫌いだ。





 けれど、夏だってこうしてたい。

























「――――――・・・電気代と世話のかかるやっちゃ」

「覚悟しとけ」

「その分、バイトで稼ぐわ」

















 温もりは、気持ちがいいもの。

 それを出来るだけ快適に感じていたいから。





















「おえ、寝るんならちゃんと布団で寝えや」

「ん―――・・・・」



























 やがてもたれかかって来た新一。



 明日も早い。

 平次も、重くなってきた瞼をこすった。

































 ―――――・・・2人でいる時は、このくらいの温度がちょうどいいらしい。

























Fin