夏風邪





「大丈夫か?」

「駄目、吐く・・・・・」

「え? 待てコラ、トイレまで我慢せえ!」













 梅雨も明けた関東地方。

 今日も茹だるような暑い、熱い日差し・・・・・















「―――――・・・っつー・・・たくよー・・・・あんだよちくしょー・・・」

「頭痛酷いと、吐き気もキッツイらしいっちゅーけど・・・・・」

「も・・・耐えらんねぇ・・・」

「工藤、お前―――――――」

「あ?」





















 ぴと。

 額に、平次の手のひら。



 ・・・・・・いつもなら熱いくらいなのに、全く体温を感じない。





























「熱いか?」

「・・・全然」

「せやろなあ・・・・・お前、あっついもん。熱や、熱」

「へ?」

「なーに風邪引いとんのや、アホ」















 朝。妙にだるいと思った。

 起きて暫くして、頭痛が耐えられなくなった。



 そのうち、目を開けているのも辛くなり・・・・・・・・吐き気が、止まらなくなった。



























「さっさと薬飲んで寝ろや――――――――・・・ったく、海行くどころやないやん」

























 今日は2人揃って休みだったから。

 だから、海でも行こうと計画していたのだ。



 けれどもこの有様。





















「――――――・・・わり」

「ま、ええけど。苦しがる工藤見んのも楽しいし」

「・・・てめ、帰れ」

「お。その顔その顔、もっと見して」

「・・・・・」





















 いつもの迫力が無い、上目遣いの睨み。

 それは単に平次を煽るだけだ。



 だから、新一はもう何も言わなかった。


































ひとくぎり





























 この日。関東地方は風も無く茹だる暑さ。

 ・・・・・脇でのん気に新一を眺めている平次のお陰で。



























 新一の熱は、まだまだ下がりそうにない・・・・・



















Fin