Mid Night Accident





「おー 見ろや工藤~ お月さん、まんまるやで~」

「酔っ払いは黙って歩け」

「ん? あれはオリオン座やな~」

「はいはい」















 真夜中。  

 時間はもう、26時になろうとしている寒い闇。



 遅くまで飲んだり食ったりして新一の家に泊まりに来た平次は、酔いも覚めぬまま、ぼーっと夜空を見上げて歩いていた。







 その少し後ろに、呆れた顔をした新一。

















「なんや! そのつまんなそうな態度は!?」

「・・・大声出すんじゃねえ。人様に迷惑だろうが」















 腕を掴み、耳元に囁く。

 あまりの状態に、新一はこっちが恥ずかしくなってきた。















「なら・・・・・塞いだらええやんか」

「は?」

「工藤がちゅーしてくれたら・・・・嫌でも黙るのに」

「・・・・」



















 にやにやと。

 酒くさい息を吐きながら、今度は平次がその耳元に囁きかけてくる。



 ・・・・新一は顔色変えずその胸倉を掴むと、得意の足蹴りを食らわした。










 さすがの平次も、これにはうずくまる。























「・・・どうやら野宿がしてえらしいな」

「ちょ・・・な、なに怒っとんねん・・・? きっつー・・・・」

「自分の襟元に聞いてみな。あばよ」

「へっ?」



















 今の一撃で正気に戻った平次は、言われた通り自分のシャツを嗅いでみた。







 ・・・・そして青ざめる。































「工藤~ ちゃう! ちゃうんやコレは!! オイコラ待て!」















 ほのかどころじゃなく。

 べったりと襟元から漂う、香水の薫り。



 それがまた新一の嫌いなタイプのものだったから、逆鱗に触れた。




















「く、工藤~っ」

「寄るんじゃねえっつの!」



















 満員電車で付けられたものだったが、弁解もさせてもらえず。


 ・・・それから彼が家に入れてもらえたのかどうかは、定かではない。


























Fin