今宵、この刻





「もうすぐ、新世紀やな」

「もう21世紀か・・・・考えてみれば、すげえな」

















 ひやり。

 少しの、冷気。

















「う。さみ~ 服部もっとこっち寄れ」

「今日はちょお冷えるなあ・・・・・あ。工藤、足冷たい」

「お前って何でこんなに体温高いワケ?」

「そーか? 普通や思うねんけどな」























 ぬくぬく。



 ・・・・本当に、服部の身体はあったかい。

























「あと何分・・・・?」

「20分」

「ええ~・・・寝ちまう・・・・・」















 瞳がとろんとしてきた新一。

 瞼が、重力に負けそうだ。

















「アカンて! あとちょっとや、起き」

「・・・・だって疲れた・・・誰のせいだっつーの・・・・」

「んなコト言うたかて~ コラ工藤!」

「じゃあどうすりゃ・・・・・・・」























 平次の肩口。

 眠たげな眼差しで、新一が頑張って顔を上げる。















 その表情は犯罪的で―――――――――・・・・・・・平次の喉が、鳴った。





































「・・・・キスしたる」

「へ?」













 その言葉を聴くと同時に、平次は新一のそれを塞ぐ。



 最初目を開けていた新一。

 でも、すぐに閉じた。





























 最初は、短く。



 口唇に。

 ついばむように軽く。



























 軽く音がする、甘い口付け・・・・































「・・・ん・・・・・」

「・・・・目え覚めてきたみたいやな」

「お前、焦らしすぎ・・・・」























 にやり。



 微笑うと、平次は舌を絡め出す。

























 ・・・・・待っていたかのように新一もそれに応え始めた。































 キスだけ。


 ・・・・・・本当に、キスだけ2人は続ける。





































  口唇だけじゃなく。















  瞼に。頬に。

  額に・・・・























  首筋に、鎖骨へと辿り着いたその刻。

































「・・・・はっとり・・・・ストップ」

「ん?」

「ほら、そろそろ―――――・・・・・」

「ホンマや。テレビつけよ」







 

















  行く年、来る年。

  どこかで響く、除夜の鐘・・・・・・





























「お~ 21世紀や」

「そうだな」

「・・・・・おめでとさん、工藤」

「今年も宜しく、服部」























  新年の挨拶は、忘れずに。

  そうして。

































「・・・・ほんなら、続きしよ?」

「ったくお前は・・・・・」





























  ちょっと呆れ顔の新一。



  でも。

































  ・・・・同じ気持ちだから、自分から口唇を重ねた。





















Fin