Stay by my side







「はー。やっぱもう暖房必要だよなあ・・・・」





















 自室。

 新一は小説を読みながら、くしゃみを2回連続。





















「・・・・でもこれから出すのも面倒くせえし・・・・・・・・夜中だしな」

























 ちらりと時計を見る。

 そうして、もう一回くしゃみをして、机の上の携帯電話を取った。




































ひとくぎり































 25時。

 窓の外に、排気音。



















「・・・来たな」















 同時に響く携帯の着信音。 

 即座に出る。















「遅いぞ」

『アホ言うな! 俺、風呂ん途中やったんやぞ!?』

「へー。シャワー浴びてて良く音、気が付いたじゃん」

『ったり前やがな! お前の着信音は別や!』

「だろうな」

















 新一は微笑いながら部屋を出て階段を下りてゆく。

 扉を開けると、髪も濡れたままの平次が居た。



 やっぱり新一は微笑う。

















「・・・何笑ろてんねん」

「いや。寒いから早く入れよ」

「どーせアレやろ? 『そろそろ寒いしな~ けど暖房出すのもかったるいしな~ 服部でも呼んで湯たんぽにしようかな~』やろ?」

「―――――・・・・・」

「図星かい」

















 はー と息を付き、平次は扉を閉め鍵を掛けた。

 そしてさっさと靴を脱ぎ上がると、新一を階段に押し倒す。



 直ぐにシャツのすそから手が入ってきた。



















「ちょっ・・・おい?」

「風呂ん途中で飛んで来たんやぞ。俺ん方が寒くてたまらんわ」

「・・・って、ココでか」

「嫌や言うても止めへんで。呼んだんはお前や」

「――――・・・誰もヤダなんて言ってねーだろうが」





















 2人は微笑い合う。









 当然だ。

 この為に、新一は平次を呼んだのだ。





















 ・・・・そうして、暫くキスの感触を楽しだりしてたのだが。



 突然、新一が平次をむいた。



















「な、なんじゃい!?」

「お前の手え冷たすぎなんだよ!!」

「しゃあないやろ! 今は冬や!」

「よし。風呂入るぞ」

「は?」















 見ると本当に寒そうな新一。

 当然だろう。ここは風通しの良い階段の上・・・・・



 その上、平次によって外されたボタンから素肌が覗いている。















「まだお湯冷めてねえと思うし。お前だって入り直した方がいいぜ」

「い・・・・・一緒に入ってええんか?」

「でも、解ってんだろうな」

「解っとるがな~ よっしゃー! ほんなら工藤の気ぃ変わらんうちに!!」

「うわっ! ちょ、ちょっと!!」













 新一の腕を掴み、勝手知ったる何とやらでリビングを駆け抜けバスルームへと向かう。

 そうしてもの凄い速さで衣服を脱ぐと、さっさと浴室へ入っていった。




























ひとくぎり



























「あ――――――・・・生き返る」

「冬の風呂は極上やな~」















 工藤邸の風呂は広い。

 男2人が入った所で余裕なくらいに。



 平次の実家も似たようなものだったが、今住んでるマンションでは足は伸ばせない。















「にしても工藤んちくらい風呂のスペース取ってる家、見たことないわ」

「親父が風呂好きでさ。この家建てる時も、風呂場だけは凝ったらしいからな」

「ほー。ちょっとした銭湯気分やな――――・・・それにホンマ、ええ具合の広さや」

「・・・・何だこの足は」













 向かい合わせになっていた2人。

 その平次の長い足が、新一に絡んでくる。



 視線を上げると『にへら~』と笑う顔が見えた。















「しまりの無い顔しやがって・・・・・」

「何とでも言えや~ うりゃ」

「おい、風呂くらいゆっくり浸からせろ」

「誘ったんはお前やろが。これくらい我慢せえ」

「――――・・・・っ・・・わ、わかったよ・・・」















 なーんて口では言っていた新一だったが、勿論抵抗する気はゼロ。

 骨っぽい手と同様の足が股の間に割り込んできて・・・つま先が新一のそれに触れた。













 ・・・・・この瞬間から、表情は妖しく変わる。



















「足やと上手く行かへんな~」

「なら手でしろ!」

「解っとるって・・・・」

















 平次はその足を開き間に新一を引き寄せる。

 バランスを失い倒れこんできた身体を受け止め、その耳元に息を吹きかけた。













 ・・・・・・2人の間のそれが触れ合っているのが液体を通して伝わる。





















「は・・・服部・・・・」

「ん?」

「・・・なんか熱い・・・・・」

「俺? それともお湯か?」

「――――・・・・お前・・・って言って欲しいんだろ・・・どーせ」



















 ちらりと視線が上を見た。

 至近距離の平次に、新一は口の端だけ上げて微笑う。













 ・・・・汗か水蒸気か解らない雫と上気した肌。

















 貼りついた髪の毛から覗く瞳。

 それが、真っ直ぐに平次を刺す・・・・・





















 途端に大きくなるそれ。

 連動して脈打ち始める自分。





 新一はもう一度微笑い、そして少し顔を上げて目を閉じた。























 ・・・・・勿論次に来たのはキスだ。

























 何度も何度も啄ばみ。

 時には口唇を噛んでみたり。





 最後にゆっくり感触を楽しんで離れる・・・・・

























「はは。ホントに男の身体って解りやすいよなあ・・・・・」

「・・・まったくやなあ」

「あ――――・・・・気持ちいいなー・・・あったけー・・・・・・・」

「コラ。マジで寝たら風邪ひくで」

「んー・・・・・」





















 平次はただ、新一を抱きしめていた。

 この場所では『これ以上の事』は出来ないのだ。























 ・・・・液体の中での行為は、前に挑戦して玉砕している。















 だから、ココではただ抱きしめるだけ・・・・・・



























 でも。

 平次はこういうのも凄く好きだった。



























 ―――――――――・・・・・液体の中というのは、妙に人間にとって安心出来る場所。

























 しかも暖かく。



 腕の中には新一。

























 ・・・・・・・・これがきっと『幸せのひとつ』なんかなあと、ガラにもなくしみじみ思ってしまう。

























「なあ服部・・・・・」

「ん~」

「・・・今日はやっぱベッドん中もこーやって寝るだけな」

「何やと!? そら話が違うやろ? おえ、コラ工藤~~~!」























 そんな叫び声は既に届かない。

 すっかり眠りに入った新一の寝顔に、平次が敵うはずもなく・・・・・・・





























 ・・・・がっくりとしつつも、暫くそのまま顔を眺めていた。












































Fin