冷たい肌





「っくしょい! ああ~ 今日はごっつ寒いな~」

「寒いか?」

「へ? 寒ないんか」

「ああそうか・・・・・・俺、お前の体温の中にいるもんな。あったけーわけだ」















 真夜中。

 12月も終りが近い、満月の夜。







 狭いベッドで抱き合うふたつの身体・・・・



















「工藤て体温低すぎ」

「・・・・36度は普通だろう」

「そんなにある風に思えんけどな。髪も手も足も口唇も、夏でも結構冷たいで?」

「お前の体温が高すぎるだけだっつの」















 もぞもぞと。

 新一は平次の腕の中で動き、それを枕にして目を閉じる。



 ふわりと髪の毛が揺れ――――・・・同時にシャンプーの香りが漂った。























 ・・・・・・髪をすく骨っぽい手が心地よい。



























「工藤、明日何時やったっけ」

「11時。お前は12時過ぎので帰るんだろ?」

「・・・・またしばらく逢えへんな」

「1月の連休には戻るからよ。来れば?」



















 明日新一は、両親の住むロスへ向かう。

 平次は実家の大阪へ。







 月に1回逢えれば良い2人の逢瀬は、いつもこうして新一の部屋。



















「・・・・・いっぺんくらい、一緒に正月過ごしたいなあ」

「無理だな」

「んなハッキリ言わんでも」

「―――――・・・・・じゃあロスくらいついて来いよ」

「? 何か言うた?」

























 ぼそっと呟いた声は平次には届かない。



 ・・・それは、音にならない本当の想い。















 顔を上げ、新一は微笑う。

































 ――――――・・・・・今度逢う時まで、俺を一瞬でも忘れたら許さねえ。



























「・・・・・な、なんや」

「別に―――――・・・・・・やっぱ寒くなってきたし、もっかいしようぜ」

「え? ちょ、わ、くど・・・・・っ・・・」


























 俺だって―――――・・・・お前から離れたくない・・・・











 ・・・・・・・・・一緒に、正月迎えたいよ――――――――・・・・・



































 外は、益々寒さを増して。

 2人吐く息も白くさえなって行くけど・・・・・































「ん~ 来年も宜しくな~ 工藤?」

「・・・っ・・・・ああ」

「ほーんま・・・・冷たい肌やのになあ。不思議な身体しとるわ・・・・・・」





























 真夜中。











 12月も終りの、満月の夜。































 ・・・・・・・来年もお前と一緒にいられたら。













































 そう願わずにはいられない、今日は満月の夜。












































Fin