ぼんやりと窓の外を眺める。

 通り過ぎてゆく景色のイルミネーションが、平次にクリスマスが近い事を思い出させた。



















 ―――――――・・・・・そーやんなあ・・・・・もう、そんな時期やったっけ。



 ま・・・・・俺には関係あらへんけど。



















 可愛いと思う女はいる。







 けれども。

 その相手に『キスしたい』とか『抱きたい』と思えない以上、『恋人』にはなれない。























 ・・・・すまんなあ和葉。



 俺ら、ちっさい頃から近くに居過ぎたんや――――――――――・・・・・・



























 きっとこの世の女の中では一番だけど。

 一番、守ってやりたい存在だけど。



 和葉の気持ちが真っ直ぐに自分に向いているのが解るからこそ、辛かった。























 ・・・・・・・友達の『好き』からそういう意味での『好き』に変わってしまったのは、和葉では無かったのだから。

























 やがてアナウンスが目的駅を告げる。

 平次は開いた扉から流れてくる冷気に首を竦ませて降りると、足早に改札口へと向かって行った。










明日に続く[04]



「ご馳走様でした」

「どうしたの、全然飲んでないよ?」

「元々そんなに飲む方じゃないんで」









 それは本当だ。



 アルコールは思考能力が低下するから、付き合いで嗜む程度くらいしか飲まないでいるうちにプライベートでも飲まない様になった。









「高木さんは結構いけますねー」

「まあ、付き合いで飲むうちに、そこそこはね」

「―――――――・・・・ねえ高木さん。どうして佐藤さんが好きなんですか?」

「え!? な、何いきなり?」











 突然の問い掛け。

 高木は箸で掴んでいた肉を、つい落とす。



 新一は至って真面目な顔。











「一目惚れ?」

「ちょ・・・・ど、どーしたのさ工藤君」

「・・・・俺がこんな事聞いたら変ですか?」











 変だよ。とは流石に口に出来ない。

 けれども向けてくる目があまりにも『恐る恐る』と言った感じだったから、戸惑ってしまった。





 現場で会うスーツ姿の工藤新一と、この目の前に居るセーターとジーンズ姿の大学生は・・・・・・本当に同一人物なのだろうか?


 そんな事を思ってしまう程、この新一は衝撃的だった。











「一目惚れじゃあないけど―――――――・・・・・」

「けど?」

「んー・・・・・でも、どうしてって聞かれてもなあ。解んないよ」

「・・・・どうしてですか」











 不思議そうな表情。

 この名探偵には理由の無い事柄なんて理解出来ないのだろう。



 高木は食器を片付け始めながら、言葉を続ける。









「工藤君はさ、蘭さんを好きなんだよね」

「え?」

「その理由って考えた事ある? あ、いいよ僕がやるから座ってて」







 突然出てきた蘭の名前に新一は瞬間どきりとする。

 自分の分を片付けようとして立ち上がり、けれども高木に制された。



 だから言われた通り、居間のソファへと移動する。











 軽く息を吐き、目を閉じた。

































 ・・・・・蘭を・・・・・好きな、理由・・・・・?























 気が付いたら一緒に居た。

 あいつを、好きだと感じてた。



















 ・・・・その理由だなんて・・・・・・・そういや考えた事なんて・・・・・



























「はい。紅茶より珈琲だったよね」

「!?」

「工藤君・・・・?」

「・・・・あ、そ、そうです、すみません」











 その時、新一の背後から高木がカップを差し出した。

 過剰な程驚かれて高木の方が目を見開く。











「工藤君――――――・・・・?」

「か、考え事してたんで・・・・ありがとうございます、頂きます」











 いつもの新一の表情。
 その切り替えの早さに高木は眉根を寄せた。











 ソファを廻り、隣に座る。



 ・・・・すると思った通り座る位置をずらした新一に、やっぱり疑問を持った。



















 電車の時と同じ。

 その身体には、緊張が走っている。















 カップに口を付ける新一。



 ・・・・・・・・高木は静かにそれを言葉にしてみた。























「もしかして僕が怖い・・・・・?」

「!」























 止まる表情。

 明らかな戸惑い。







 ・・・それを意味するのは『肯定』だ。

















「何か―――――・・・・気に障ることしたかな」

「ち、違います」

「・・・・じゃあ、どうして?」

「気を悪くさせてすみません。急に後ろからカップを出されて・・・・・驚いただけですから」













 何を言ってるんだろう? と高木は思った。



 それならば、どうしてまだ身体に力を入れたままのか。

 どうしてそんな表情をするのか。







 そんなに小さなソファでは無い。

 大人2人座るくらいには充分なスペースがあり、新一と高木は決して接触はしていない。















 ・・・・・・でも、新一は確かに身体を強張らせていた。





















 高木は何度かこれに似た症状の少年に会ったことがあったから、嫌な予感が頭を掠める。

 そして再びあの平次の言葉を思い出し愕然とした。





















『あいつ帰ってきたら――――――――・・・・・・なるべくそばで見とって欲しいんや。意味不明やと思うんは当然や。けど多分、そのうち解る』

『・・・・工藤君と何かあったのかい?」

























 ・・・・確かケンカをしていると言っていた。

 だとすると原因はそれなのだろうか?





 それにしても、ここまで彼がダメージを受けると言うのは相当な事だ――――――――――・・・・・・























「・・・・・・工藤君」

「ちょっと体調崩しちゃって、それで長いフライトしてきたんでまだ具合悪くて・・・・それだけです」

「本当に?」

「他に何があるっていうんですか? 高木さんが怖い訳ないじゃないですか」

「それならどうして―――――――・・・・・」















 いつもなら刺すように人の目を見て話す新一が。

 決して、相手から目を逸らす事の無い新一が。







 ・・・・どうして、身体を震わせ視線を合わせようとしないのか。













 高木はそう最後まで言えず言葉を飲み込む。































 ・・・・・・・時間が経つにつれて、段々酷くなってる気がするんだよな・・・・・・

























 最初に電車で会って。

 そうして家に誘って。





 そして、今。















「・・・・・俺、帰ります」

「え?」

「わがまま言ってすみません」

「ちょ、ちょっと工藤君!?」









 高木は反射的に手を伸ばすが、それより先に新一は立ち上がった。

 そしてコートを取り高木に向く。





 ・・・・やはり鋭い眼光は感じられない。





















 そして次に力無く微笑う口唇から出た言葉は―――――――――・・・・



































「・・・・・・・今日はありがとうございました」

































 

 消え入りそうな、別れの挨拶だった。





































 ・・・・・・これは誰だ?







 本当にさっきから何度も自問自答しているが、この目に映っているのは自分の知っている『工藤新一』なのだろうか?

















 確かに、今までそんなに付き合いが有る訳では無い。

 プライベートでなんて、会った事などいくらも無い。



 けど。



















「――――――・・・・悪いけど、試させてくれるかな」

「・・・・え?」

「納得いかないんだよね」













 ・・・・刑事としての(サガ)だろう。

 様子がおかしい事に気付きながら、大人しくそう言う新一を放って置ける訳がない。



 だから。



















 ・・・・・・その手首を掴み、ぐいと自分の元へ引き寄せた。
































ひとくぎり































 予想通りの薄い身体だった。

 そんなに経験は無いけど、今まで知っているどの女よりも細かった。















 ・・・・そうして自分の腕に収まっている彼は―――――――――――――・・・・・







 震えて、無い・・・・・・・?





























「・・・・・・高木さん」

「え?」

「もう、いいですか?」











 腕の中から見上げている瞳。

 それは、紛れも無く『工藤新一』の輝きを放っていて・・・・・・













 ―――――――――――・・・・魅入られたように高木は暫く目が離せなかった。



































 そうして、驚くほど綺麗に新一は微笑う。











「・・・・・心配してくれてありがとうございます」

「あ―――――・・・いや、ごめん」

「俺は大丈夫ですから」

「そ、そう」

「だからこの腕、離して下さい」











 真っ直ぐに向けられる瞳。

 それに逆らえず、高木はゆっくりと身体を離した。





 ・・・・・・・途端にひんやりとした空気を感じる。















 新一は、再び微笑った。



































 静かに消えてゆく背中。

 それは、本当に消えそうで。







 ・・・気配が完全に無くなるのを感じると、高木は大きく息を吐きソファに沈んだ。


































ひとくぎり





























 扉の前。

 新一は、大きく深呼吸をして座り込んだ。



 ・・・・身体が段々震え出す。





















「―――――――・・・・っ・・・・だ、駄目だ・・・」















 止まらない。

 我慢していたが、肌が拒否反応を起こしている。



 本当なら心地良い筈の体温。

 そして、心臓の音。











 ・・・・その何もかもが耐え難い恐怖となって新一を襲うのだ。























「ちくしょう・・・・どうしたら良いんだ・・・・・どうすればこの状態から、抜け出せるってんだよ・・・・」

















 頭では忘れようとしても。

 あの感触をこの身体は覚えていて、未だにその時の残像が甦ってくる。





 ・・・・こんな状態で本人に会ったらどうなってしまうのだろう。























 震えたまま新一は立ち上がる。

 ちょうど来ていたエレベーターへと乗り込むと、壁に寄りかかった。





















 ・・・・・・・・高木さんに気付かれてしまった。



 俺とした事が――――――――――・・・・情けないな、ホント・・・・・





















 新一の演技力は母親譲りだ。

 その天性の才で、ロスでは何とか過ごして来れた。



 けれども、この先他の警察関係の人間や友人など極めて近しい存在との関わりは避けられない。

 今と同じ状況が起こらないとは限らない。























「・・・・・・会うしかないのか」













 外に出ると寒さは更に増していた。










 人気
( ひとけ)
のない通り。

 時折聞こえてくる、車の音。



 コートの襟元を立てて目を細め、呟く。

















 そうだ。

 逃げていても何も始まらない。









 ・・・・どんな結果になっても。



 あいつの『あの時』の行動と原因に俺が納得出来れば、この状況から抜け出せる筈。















 新一は大通りに出た。

 直ぐにタクシーが来て、それを止め中へ乗り込む。



 最寄りの駅へと思ったが、面倒だったから家までこのまま行くことにして地名を告げた。















 時は23時過ぎ。

 身体を震わせながら、新一は窓の外を少し眺め目を閉じた。
































ひとくぎり





























 米花駅。

 その向かいにある珈琲専門店で、平次は窓の外を眺めていた。



 新一の家まで行ってはみたものの、やっぱり留守。

 東京駅で見かけてから時間も経ってるし、きっとあのまま高木さんと一緒に食べているか飲んでいるか・・・・そしてそのまま泊まるのだろう。





 でも来た以上会うまで帰るつもりは無いから、ひとまず駅前のホテルに部屋を取り、食事をとってから1時間ぐらいこの場所で窓の外を見ていたのだ。













 珈琲は3杯目。

 近くの本屋で買った小説も、既に読み終わってしまった。







 ・・・・・時計を見ると24時を過ぎている。













 少し前までは結構混んでいた店内も、今はもう平次を含め3人程しか居ない。

 ふとテーブルの上に乗っている店の宣伝広告に目をやると、『夜は25時まで』と書いてあった。













 電話は何度かしていた。

 でも、いくら鳴らしても出ない。



 自分の番号だから出ないのかとも思ったが、確か去年の夏に新一の家に行った時は単なる普通のコードレス電話だったから、番号表示されるものでは無かったはずだ。





 だとすると、本当に居ないのだ。









 最初は門の前で待っていようかとも思ったが、とにかく夜になって冷え込んできたし、不審者に思われたくもなかったから止めた。

























 ――――――――・・・・・今日はもう諦めるか・・・・





















 息を付き上着を羽織り、席を立つ。

 そうして『ありがとうございました』という店員の声を背中で聞き、自動ドアを出た。



































 ・・・・うわ、寒む。 























 店内ではクリスマスソングばかり流れていた。

 あと数日で迎えるその日は、予報では確か雨か雪。







 この調子だと本当にホワイトクリスマスかもしれない・・・・















「あれ・・・・服部くん?」

「へ?」

「やっぱり。どうしたのこんな所で――――――・・・・それにこんな時間に・・・・」

「―――――――――・・・あ、いや・・・・・久しぶりやな」















 と、その時声を掛けられる。

 振り向くと・・・・・毛利蘭と言って、新一の幼馴染である女の子が不思議そうな顔をして立っていた。






























ひとくぎり

































「ふーん。服部君も、いつも大変だね」









 大阪に住んでいる平次が東京に居る。

 しかも真夜中に、こうしてひとり歩いているのはどう考えても変だろう。



 だから適当に話を作った。

 母親から使いを頼まれ、親戚の家に法事で明日帰るのだと言って。





 2人は並んで歩いていた。

 平次は無意識に車道側に回り、彼女の風除けになる。















「今日は和葉ちゃんいないんだ?」

「あ・・・・・あいつは何や、他に用あるらしくてな」

「そっか」











 何かと一緒に行動してきた和葉。

 だからこそ、蘭も何の気なしに聞いてきたのだろう。













「ねーちゃんこそ何や? ちょお酒飲んどるやろ」

「大学の友達と飲み会だったのよ。今の時期だと、もう忘年会って言うのかな」

「どっちにしても危ないで。誰か送ってくれるオトコは居らへんかったん? まあ、ねーちゃん相手に勝てる相手も居らへん思うけど」

「ちょっと。それどーゆう意味?」









 空手の有段者である蘭。

 高校の頃から半端じゃなく強かった彼女に、そこらの痴漢は相手にならないだろう。



 2人は笑う。









「俺、ここの近くのトコにホテル取ってあんねん。せやから家まで送ったるわ」

「ええ? 平気よ。いつも通ってる道だし、そんなに遠くないし」

「アカン! いくらねーちゃんが強くても『女』に変わりないんやで? 何かあったらどないすんねや!」

「・・・・そ、そう? じゃ、お願いしようかな」











 その迫力に押されながらも蘭は素直にお礼を言った。

 どうやらこの関西の探偵は、幼い頃から『男はいつどんな時も女を守るべし』としつけられて来た様だ。



 あまりにも『らしく』て、微笑ってしまった。















 しかし。





 ・・・・・・・その中に潜む哀しげな目の色に、平次は気付く。























「そういや今日やったな。もう逢うたん?」

「え?」

「工藤。夏からずっとロス行っとったんやろ」

「―――――――・・・・・・うん」













 歩きながら2人は空を見上げていた。

 凍てつく寒さの中、少しだけ光の強い星が瞬またたいていた。



 時間も遅いのに―――――・・・・・・・車が引っ切り無しに通り過ぎてゆく。















 風が、蘭の首のマフラーを揺らした。



























「なあ。聞いてもええか」

「・・・・何?」

「姉ちゃんと工藤――――――――・・・・・・あの夏からずっと気まずいまんまなん?」

「え・・・・・・・」

























 その時2人は横断歩道に差し掛かっていた。

 勿論信号は青。歩行者の色が『青』だ。



 しかし。















 ・・・・・渡ろうとしている時、蘭の背後から閃光が見えた。





























「アカン!!!」

「え――――――――――・・・・きゃああ!!」

























 急に車が左折して来た。

 真夜中で人通りもそんなになかったから、ろくに見てなかったのだろう。











 ・・・・・・・どちらにしろ、渡りかけていた2人に突っ込んで来たのだ。





















 瞬間、激しいブレーキ音が鳴り響く。



























「ねーちゃん大丈夫か!!? ったく何やあの車!? 無茶な運転しよるな!!」

「・・・・い、痛た・・・・っ」

「え―――――・・・・・・・どっか擦りむいたんか??」

「だ・・・大丈夫よ、これくらい」











 あわや接触と言う所で平次が蘭を抱いて引き戻した。

 その車も一応ブレーキを踏んだが、別に轢いた訳じゃないからと思ったのか、そのまま走り去って行った。





 もちろん平次は怒鳴るが――――――――――・・・・・それは虚しく闇夜に吸い込まれて行くだけだった。























 ・・・・・・僅かにあった人影も、まばら。



 どれも無関心を装った様に、この有様を見て見ぬ振り。





















 元の静寂が訪れる。

 平次は、横断歩道脇の電信柱にその身体を寄りかからせた。







 スカートだった蘭。

 避けて倒れた時に擦ったのか、ひざのストッキングが破れて出血している。



 だから平次は少し考え、そして・・・・・・・





















 更にストッキングを裂き――――――――――・・・・・・・・傷口に吸い付いた。



























 ・・・・・さすがに蘭は驚く。








「ちょ・・・ちょっとやだ服部君?? な、何してんの?」

「・・・・何て。結構出血しとるし、取り合えず傷口消毒して、止血せな」

「だ、だからって・・・・・・・」

「ねーちゃんハンカチ持っとるやろ? それ出して」










 その時の平次は、何故か有無を言わさない程の迫力で。

 だから蘭はそれ以上言葉を出せず、言われた通りバックからハンカチを取り出した。



 血と泥を何度か吸い出した平次。

 『よっしゃ。』と硬く布を結ぶと、自分の口を己の手の甲で拭い立ち上がる。













 ・・・・・そして目を伏せた。

















「怪我させてもうてスマン――――――――――・・・・・・・『何かあったらアカン』とか言うといて、こんなザマで」

「ありがとう、服部君」

「へ・・・・?」

「これくらいの傷、稽古でしょっちゅうよ? それに服部君がいなかったら、これくらいじゃ済まなかったと思うし。助けてくれて、ありがとう」

「・・・・・・せやけど」

「それより誰にでもこんな手当てしてるの? もう、あたし和葉ちゃんに何て言えば良いのよ」

「な、何がや?」















 顔を赤くして蘭も立ち上がる。

 そうして、とっくに変わっている向かいの信号を見た。





 ・・・・・・平次はその言葉の意味が解らない。

















「きっと凄い妬くと思うなー。ほんと服部君って時々さらっと凄いよね」

「は?」

「女の子の気持ち少しは解ってあげてよ・・・新一も、こういうの全然解ってないけど」























 ・・・・・・・へ・・・・・?





























 消え入りそうな声だった。

 哀しげな微笑と共にそれは、平次の脳裏に届く。

















 信号が点滅し始めた。



 『早くしないと赤に変わっちゃうよ』と蘭は先に走り出す。















 ・・・・・だから平次も、頬を撫でる冷たい空気に身体を竦ませ後を追った。






































ひとくぎり



































 ・・・・・2人は知らなかった。















 車を避けて倒れこんだあの時。

 青だった横断歩道の手前で、止まってるタクシーが有った事を。



























 その中にいたのが――――――――――・・・・・・・新一だと言う事を。







































 走ってる先から聞こえてきた急ブレーキ。

 その後に、物凄い勢いで走ってきた対向車線の車。



 『今のは何だ』と思い視線を凝らしていた時に、見えた座り込んでいる2人の影。























 停止線で止まるタクシー。



 そこで新一が見たものは――――――――――・・・・・・

































 ・・・・・・・怪我したらしい蘭の傷口を消毒する為に、自らの口唇を使っている平次の姿だった。