The ALOE





「あ。何やコレここに売ってたんや」

「何?」

「アロエドリンク」

「はあ~?」













  服部平次は、コンビニの飲料水の入っている扉の前で

  緑色の500MLペットボトルを、手に取る。



  後ろから黒羽快斗が顔をしかめた。











「げー。それ飲むのかよ?」

「コレが美味いんや。騙された思って飲んでみ」

「パス。俺はこっち」









  ひょいと隣の酒のビンを快斗は掴む。

  そしてさっさと『つまみつまみ』と、姿を平次の視界から消した。























「俺も最初はそう思たな~」













  構わず3本掴んでカゴに入れる。

  中々探しても無かったから、平次は上機嫌だ。



  レジに向かい快斗にカゴを渡し会計を任す。

  ・・・・さっきの緑色のボトルが見えたから、あからさまに嫌な顔を平次に向けた。











「別に、お前に飲めとは言わんから安心しい」

「当然だ」

「せやけど・・・・工藤は結構好き言うとったで? コレ」

「うっそ!? 新一が?」











  新一の話を出すと途端に表情が変わる。

  ・・・それが面白くもあり、ちょっと気に食わないのが本音だが。















「あいつも、お前みたく最初は嫌な顔しとったけどな。飲んだら結構気に入ってたわ」













  そう言うと、快斗は興味を持ったらしい。

  複雑な表情をする。













「後で、ちょい飲んでみいや」

「・・・そうだな」

「あ、にぎり飯も買うてこ。足りへんかったら工藤怒るし」

「そうそう、服部タバコ何だっけ?」













  これから彼らは映画を観にいく所。

  オールナイトでリバイバルものの、3本立てだ。



  新一は表の駐車場で待っている。













「こんくらいでええか・・・・黒羽、金頼むで」

「新一がコレで俺はCABINで―――――・・・・・おい服部! 何吸うんだって聞いてんだけど!?」





















  外は雨が降り出した。

  今日の予報は、雷雨だったっけ・・・・













  でも。



  これから楽しい時間なのには変わりない。

















  ようやく会計を済ませて、車に戻った2人。

  待ちくたびれた工藤新一が、シートを倒したままの体制で迎えた。















「おせーぞ・・・ああ? また沢山買い込んだもんだな」

「な、新一。コレ美味いのか?」

「何・・・・あれ、アロエじゃん。これ此処に売ってんのか?」























  その様子を見て、快斗は思い切って飲んでみる。





  そして・・・・・

















「マジうめーじゃんコレ!!」

「ほれ見い」

「・・・何だかしらねえけど、行くぞ」

































  雨の中。

  真夜中のシアターへと、車は走り出す。
















































Fin