生誕記念日










 雨のにおい。



 今日は、1日寒い日だった。





























「何だかな~。寒いなこの頃・・・・・・」

















 5月3日。午後23時56分。

 もうすぐ零時を迎える―――――――――――・・・・・・



















「さーてと。風呂入って寝るかな」













 新一はふわわと欠伸をする。

 寝間着を取り、タンスからぱんつを出して部屋を出ようとした、その時。









 ・・・・・・メロディが流れた。































「何だこんな真夜中に」











 放っておこうかと思ったが、音がうるさい。
 だから、とりあえず見た。


 名前の表示は・・・・・・

















「ったく・・・・・はい、工藤」

『工藤? 服部くんやで~ 今何しとったん?』

「えっち電話かお前は。風呂入るところだ」

『ヒドイな。まあええ、誕生日やな~ おめでとさん。用はそんだけや。また大阪遊びに来いや~』

「え?」



















 そうして切れる回線。



 新一は、しばし携帯を見つめる・・・・・・・






























「あ・・・・そか。俺の誕生日だ」



























 何だかくすぐったい気持ちになった。







 別に、もう誕生日を迎えて喜びはしないけど。

 こうして祝ってもらえるのは嫌な気は勿論しないから。



 照れくさくなって、少し微笑う。

























「あ。そうそう風呂だよ」









 思い出した様に我に返る。

 新一はそれをベッドに放り投げ、ぱたぱたと階下へ降りて行った。






























ひとくぎり

























 主のいない部屋で、鳴り響く着信音。

 それはどれも短く。





 メール着信音だということを、告げている。













 ・・・・・やがて新一は、この部屋へ来て。


 たくさんのメールが届いている事を知るだろう。





























 今日は、記念日。

























 工藤新一がこの世に生を受けた―――――――――――・・・・・記念すべき、生誕日。




































Fin