Their daily life



「あ~今日も疲れた・・・・」

















 月夜。

 風が少し肌寒い。



 屋根から屋根を飛ぶ白い影は、息をつきながら下界を覗いた。







 ・・・・東京タワーが目前にそびえている。































「さて、と」

















 身体を一回転させると、その姿は白から黒に変わる。

 遠くから聴こえるパトカーの音に微笑いながら、軽い足取りで下へ降りて行った。
































ひとくぎり

























「どーすっかなー・・・・」

「何や、まだ迷っとるんか」

「だってよー」

「迷う内は買わない方が無難ですからね。カタログもらって、一晩考えてみては?」

「そーもいかねーから迷ってんじゃねえか」













 駅前のヨドバシカメラ。

 その地下にある家電売場で、目立つ3人の男がつるんでいる。







 ノートパソコンとモバイルのコーナーを行ったり来たりしているのが工藤新一。

 そして、後ろのデジタルカメラ売場で色々見て遊んでいるのが服部平次。



 その2人の様子を伺いながら、自分もサブノート買い替えようかなと見ているのが白馬探だ。















「・・・・工藤。それパソコンちゃうで?」

「解ってっけどさ~。好きなんだよゼロハリ」

「メール打つくらいなら手軽だと思いますが――――・・・・・・データ扱うならちゃんとした物の方が」

「そこなんだよな~・・・・何でノートのデザインしねえかなあ~」

















 新一は、昨日自分のサブノートパソコンを壊してしまった。















 集中豪雨で傘無し。

 おまけに、雨宿りする場所も無く。









 ・・・・・・・鞄はその時に限って、防水加工されてないものだった。



















 結果、中身は水浸し。

 今まで愛用していたそれも結局生き返らず。



 まあ、データはその都度メールで自分の家の方に送っているから良かったのだが・・・・・・・・















 とにかく、早く次のを用意しなければならなかった。

 何しろ今時の事件の情報や依頼は、全てこれでこなしていたからだ。



 ないと話にならない。















 それならさっさと発売中の中から新機種を選べばいいのに、何をさっきから迷っているのかと言うと・・・・





















「工藤君。好きですよねえ『ゼロ・ハリバートン』」

「まーな」

「そんな重たいだけの何処がええねん?」

「お前にゃ解んなくて結構」

「黒羽君も確か好きだったな――――――――――・・・・・見かけ似ていると、好みも同じなんですかね」















 そう。新一はゼロハリが好きなのだ。

 父親の工藤優作が愛用していたのを子供の頃から見てきて、自分で買えるようになってからちょっとづつ買い集めている。









 何も入っていなくとも重たいのは確か。

 そりゃそうだ。月にだって持っていける程の耐久性と密閉性。



 PCを持ち歩くには最高級。

 そしてとにかく、何よりこの重量感とデザインに惚れているのだ。

















 そしてドコモが最近出しているモバイルツール。それがゼロハリデザインなのである。



 でも、ちょっと新一が使うにはあまりにも足りない部分が多い。

 だから今まで買おうとはしていなかったのだが・・・・

















「やっぱ普通のノートにしよ・・・・・・惜しいけどアルミ合金製じゃないし」

「そらそうや。この値段やとこれがいっぱいいっぱいやろ」

「だよなー」

















 結局、容量もキーボードの大きさも丁度いいB5サイズのノートタイプに決めた新一。

 ついでにメモリも増やそうと思いガラスケースを覗いたその時、視界に入ったものに目を見開いた。

















 それはデジタルカメラ。



 『ZERO HALLiBURTON ZD3』と記されたものだった。



















「・・・・・マジ!?」

「どうしました」

「何だよ、こんなの出てたのかよ・・・・俺、これ買う」

「は? カメラ? パソコン買うんやなかったんか?」

「――――・・・へえ、これゼロハリデザインなんですね。いいじゃないですか」















 それは決して、安くは無い。

 そんなに画素数も高い訳ではない。







 でも、そんな事は関係ないのだ。















「そんな軽く決めてええんか? カタログとか、色んなの比べんでええんか?」

「いい。だって直感だし」

「パソコンは?」

「ああ、それも買う」

「・・・・・・ま、お前のやし。お前が決めたんなら、ええ事やけど」















 サブノートは、すぐに必要。

 カメラは別に必要って訳ではないけど。



 でも。



















 ・・・・好きなんだからしょうがない。欲しいんだから、しょうがない。





 出逢っちゃったんだから、しょうがないのだ。





















「そんじゃー買ってくる」

「行ってらっしゃい」

「――――――・・・・よう見ると結構ええ感じやなあ・・・・・俺も買おかな~」















 平次が、ディスプレイされたそのカメラを見つめている。

 どうやら気に入ってしまったようだ。



 何しろ『限定品』と書かれているから購買意欲をそそられる・・・・















「買ったらいいじゃないですか」

「アホウ。即金で買える金額やないわ」

「カードくらい持ってるでしょう」

「せやけどな~」

「あ。そろそろ8時ですよ」















 そして新一が戻ってきた。

 さすがに大荷物だ。















「それ貸し。持ったる」

「悪いな」

「遠慮しないで良いですよ。僕らはその為に来たんですから」

「・・・・じゃあ、頼む」



















 少し困ったような表情をして、新一は2人に荷物を渡した。







 実は昨日、PCをクラッシュさせてただでさえへこんでいた所に、久々に家の書庫を掃除してたら脚立から落ちて腕を痛めてしまったのだ。













 ツイてない時は、とことんツイてないらしい。





















 ・・・・・けれど、もともと今日、彼らと会う約束だったから。



 2人とも、こうして買い物に付き合ってくれている。






















「快斗、待ってるよな~」

「・・・・怒ってる姿が目に浮かびますね」

「あいつなら食いもん与えりゃ機嫌直すやろ」

「だから、待ち合わせはケーキが美味しい所にしたんじゃないですか」















 3人が小走りに向かう先。

 それは、とある喫茶店。



 腕時計を見ながら、新一は携帯を取り出し短縮を押す。

















「もしもし快斗?」

『新一、おっせーよ何してんだよ!?』

「服部も白馬も俺の買い物に付き合わせてたんだ、ホントごめん」

『そっか~。とにかく早く来いよな』

「あと3分ってトコだ」













 ボタンを押し、ポケットにしまう。

 そうして右に曲がった所の西洋風な場所の扉を開けた。





















ひとくぎり

























「あああ~ 美味かったなあ、あのケーキ・・・・・」

「珈琲もめちゃくちゃ旨かったな」

「店員が皆オトコだったのは残念だったけど」

「コラ、それ俺のだろ。お前もう2個も食ったんだろーが」

















 待ち合わせ場所のケーキはやたら美味しかった。



 どこか他の定食屋にでも移って夕飯を食べるつもりだったが、予定変更。

 4人はそのままケーキセットを頼んだ。















 ・・・・・・・オトコだらけの客は珍しかったのか、何故かパティシエは色々サービスをしてくれて美味しいアイスまで出してくれた。























 そして、快斗は新一の家に元々泊まる予定だったからそのまま2人は工藤邸へ。





 平次は明日の朝早いからと新宿のマンションへ戻り。

 探は人と約束があるからと、タクシーに乗って帰って行った。









 そうして今。

 テイクアウトのケーキを2人で食べている、夜の10時。





















「んで。結局買ったんだ」

「悩んだけど。ノートの方な」

「それが正解だって。モバイルなんて携帯で十分だぜ~」

「でも今日の掘り出しモンはコレ」

「・・・・・そーいや、新一の持ってた方の箱って」













 探や平次と駅で別れたあと、快斗が大きい方の箱を持った。

 そういえば、新一は痛めてない手でもうひとつの袋を持っていたはず。















「じゃーん! 買っちまった」

「あ!」

「どーした?」

「――――――・・・・それ、俺も買った」

「へ?」















 そのアタッシュケースのデザインの小さな箱に見覚えあると思った快斗。

 案の定、一昨日くらいに家に届いたのと同じものだったのだ。













「やっぱゼロハリ! えー、何だよこれ、ここらへんで売ってたのかよ~」

「なんだ快斗持ってたのか・・・・せっかく自慢しようと思ったのに」

「俺わざわざネットで通販したんだぜ? 新一にも教えようと思ってたんだけど、なんだそっかー」















 快斗は、夜にふらふらネットを波乗りしてたら偶然このカメラの事を知ったらしく。

 店で売るところも少ないとあったから、即効申し込んでしまっていたらしい。



『なら何ですぐ教えねえんだ』と新一が小突くと、快斗は『わはははごめ~ん』とカラ笑いした。


















 ともあれ、食べるものを食べ、2人は満足気だ。

 ごろんとベッドに転がる。















 ・・・・・・・月が、見えた。



























「腕平気?」

「ちょっと痛いかな」

「・・・・新一」

「ん?」



















 転がった快斗とベッド脇に寄りかかった新一。

 呼ばれ、視線が合う。













 ・・・・快斗が指を伸ばしてきて、新一の髪に触れた。























「いいなあ、さらさら」

「そうか?」

「俺、くせっ毛だから昔からアコガレ」

「いいじゃん。それお前に合ってると思うけど」

「そ?」























 へへーと笑う。

 眠たげな顔をして、快斗はまた窓に視線を移した。















 そして、また視界に在る月。































「今日はどうだった?」

「ハズレ」

「そうか・・・・」



















 新一もベッドに寄りかかり、月を見る。

 同じ音を持つ声が静かに響く・・・・・・











 ・・・・そうして次に聴こえてくるのは吐息。























「おい、快斗?」

「―――・・・」

「風邪ひくからちゃんと寝ろ。っつーか歯、磨け」

「うー・・・・新一代わりにやっといて・・・」

「俺がやってどーすんだ! 風呂だって沸かしてんだからついでに入って来い!」





















 そうして叩き起こされた快斗は、目を擦りつつ部屋を出る。

 続いて新一も、食べ終えた皿やフォークやらを片付けに階下へ向かった。


























ひとくぎり

























 次の日、2人は同じカメラを持ってドライブへ出かけた。





 ・・・・もちろん、運転手兼荷物持ちの2名を連れて。




























ひとくぎり























「工藤~すまんすまん、遅なってしもた」

「おう」

「ほんならメシ・・・・・あ?」

「ん?」















 天気のいい、お昼時。

 図書館で待ち合わせして、一緒に昼食を取ろうと約束していた新一と平次。



 その窓際に座っていた眼鏡姿の彼の手元に、平次の視線が行った。

















 見覚えのある白い小さなそれは・・・・・





















「――――――・・・・・諦めたんやなかったんかい」

「ああコレ? そーなんだよ~ 結局あれから気になっちゃってしょーが無くてよ~ 昨日買っちまった」

「そんなにモバイルばっか持っとってどないすんねん」

「意外とさ、便利なんでビックリしてんだ。スケジュール管理もそうだけど、エクセルとワードが普通に使えて、何より軽いし」













 そこにあったのは、この前新一が悩んでたけど買うのを諦めたはずのもの。

 mobile comfort sigmarionⅡだった。



 あのゼロハリバートンデザインのドコモの最新モバイルツールである。













「まあそれはそれとしてや。腹減った。メシ行こうや」

「そうだな」

「今日は寒いし、うどんでも食おか・・・・・・」

「はっとりー」

「ん?」















 先に歩いてた平次を新一が呼ぶ。

 きょとんとした顔をして、振り返ったその瞬間。



















 ぴぴぴぴ。

 かしゃ。





















「見返り平次くんゲット」

「・・・・何しとんねん」

「あんときカメラ買っただろ。色々撮ってんだ。快斗も白馬も結構撮ったぜ~」

「いややな~ 言うてくれたらヌードでも何でもやったるで?」

「マジ? じゃあ脱げ。お前のファン多いからな」

「売るんかい!」















 漫才しながら図書館を出る2人。



 ・・・・・その時、聞き耳を立てていた2人のファン『それ本気で売って・・・・』と真面目に思っていた事を彼等は知る由もない。




























ひとくぎり























「なあ・・・工藤の奴、何で溜息ばっかなん?」

「うん。かなりショックだったみてーでさ」

「は?」

「無理もない。ノート買い直したの、ついこの前ですからね・・・・・」



















 雨。

 降りしきる雨。



 いつもの4人で渋谷を歩いていて、近くの書店にふらっと立ち寄ったのが悲劇の始まりだった。









 とある雑誌の表紙を見た新一。

 恐る恐る中を見ると途端に『なんだとー!!』という表情に変わったのだ。





 その様にビックリしたのは隣にいた快斗だ。















「ど、どうしたよ新一??」

「・・・し・・・信じらんねえ・・・・・」

「ん?――――――・・・・え? うっそ、マジで? 出るの?」

「何だよちくしょ~!!! 俺、新しいの買ったのこの前じゃんか!!」















 新一が見ていたのはPC雑誌。

 その記事とは・・・・こともあろうに、あのゼロハリバートンが今度、NECから出るノートパソコンのデザインを手がけたというものだった。







 ・・・・発売は、この10月から11月らしい。











「あっちゃー・・・・こりゃタイミング悪いっつーか何つーか・・・・けど、カッコいいなコレ」

「ホントだよな・・・・・」

「新一~ そんな落ち込むなって~」

「なんか、すげー無性に悔しい・・・・・・・ああああもう畜生~~!!」



















 本気で新一は怒っていた。

 というよりも、悲しんでいた。









 ・・・・それは自分に対して。













 そして何よりも、そのタイミングの悪さに対して。



















 あの時雨なんか降らなかったら。

 そして、もうちょっとPCを買うのを我慢してさえいれば・・・・























「し、新一、どっかで美味しい珈琲でも飲もうぜ、な?」

「――――・・・・」

「ああも~ そんな目で俺を見るな! 俺は買ってあげられないの!」

「・・・やっぱ駄目か」

「あのねえ・・・」

「何を騒いでるんですか、2人とも」















 その時、他の階に行っていた白馬探が戻ってきた。

 なにやら紙袋を抱えている所を見ると、お目当ての専門書が見つかったらしい。



 階段下で大声を出していた快斗に驚く。















「ああ白馬~ どうにかしてくれよ新一~」

「だから、何?」

「今度ゼロハリのノートが出るらしくてさ~ もう拗ねちゃってタイヘン」

「誰が拗ねてる!」

「おや。本当だ」















 明らかにその顔は、拗ねモード。

 自覚が無いらしいが、B型の新一は感情が直ぐ表に出るのだ。





 ・・・・こんな新一は本当に珍しい。



















 と。



 その時、フラッシュに驚いた新一が顔を上げた。



















「?」

「へっへー 憂い新ちゃん頂き」

「お前、何撮ってんだ!??」

「俺の秘蔵コレクション。いや~今の顔良かったよ。ゾクゾクしちゃう」

「快斗~~~!!!」

「きゃ~ 新ちゃんコワイ~っ」

「はいはい。営業の邪魔ですからもう外行きましょう。まったく・・・・」















 探が、まるで保護者の様に2人を外に連れ出す。

 そして携帯を取り出した時、目の前に現れたのは・・・・















「ん? 何や?」

「ああ服部君。丁度良かった、今電話しようと思ってた所でしたよ」

「お~ はっとり~ 助かった、新一頼むわ」

「はあ?」

「―――――・・・・おめー良い具合に濡れてんじゃねーか。よし快斗、今シャッターチャンスだぞ」

「ええ~? 俺、服部は別にイイ」

「こいつ、結構売れるんだぜ」

「何のハナシしとんねん!」













 まるで酔っ払いな新一に、平次は呆気にとられる。

 とりあえず雨も強くなってきたから、4人はそのまま前にも行った洋菓子店に入っていった。













 そこで、しばしのブレイクタイムとなったのである。


































ひとくぎり























「ほー。それでか、工藤が変なんは」

「全く参った。俺もゼロハリ好きだけどさ・・・・新一の場合はちょっとタイミング悪すぎじゃん? 買ったばっかだってのが効いてるよ」

「まあ決めるのはアイツや。こればっかりは好みやからなー」

















 喋りながらも、手は止まらない。





 今日も本当に美味しいケーキだ。

 日頃甘いものを好んで食べない探や平次も、ここのは平気で2個は食べれた。







 飲み物も本当に旨い。

 今、新一はトイレだ。















「・・・・・・・けど、ケーキ屋なのに本当に女の店員ていねえのな」

「この雰囲気、僕は好きだな。向こうの家を思い出す」

「まあでも男4人で来るトコじゃねえよな・・・・・・・」

「ええやんか。こんなレベル高い群れ他にないで」

「俺と新一で、華は添えてやってるしな~」











 ぬけぬけと言い放つ快斗。

 それも事実だから、あえて2人は反論せず失笑する。





 やがて新一が戻ってきた。



 ジャケットを脱いでいるその姿を、改めて3人は見る。















「な、何?」

「・・・・いや~ お前ホンマほっそいなあ」

「そりゃ服部に比べりゃな」

「バランスも抜群ですよ。黒羽君にも言えますが」

「ど、どーしたんだよお前ら? 気色悪いぞ?」

「あっはっは照れてる~ 新一かわい~」













 体のラインを強調する黒の上下。少し派手なジャケットに対して、それはシンプルで。

 反対に快斗は流行りの豹柄バリバリのパンツで真っ赤なトップ。



 似た姿を持つ2人が並ぶと、本当にどっかのモデル並。



















 探も平次も、世間一般的なレベルから言えばかなりの高ランクなのだが。



 ・・・何しろ一緒にいるこの2人がケタ違い。



















 どこへ行っても。

 何をしてても目立つ彼等が4人まとめているのだから、その存在感は半端ではなかった。



 実際、この店に入ってきた時も瞬間店の空気が止まり、他の客の視線を一気にさらっている。













 怒りっぽいときは、甘いもの。

 新一もこの美味しいケーキによって、何とか気も落ち着いたようだ。













 会計を済ませて外に出る。

 雨は、上がっていた。















「どうする?」

「あ。俺、ちょお行くとこあんねん、悪いんやけど」

「え~ 新一は大丈夫だよな?」

「悪い、俺もちょっと」

「・・・・仕方ない。ではこれで解散という事で」















 探が珍しく困ったように笑う。

 そして快斗も。





 まだ時間は4時だったから、無理もない。



















 最寄の地下鉄の入り口。

 そこで、新一は降りて行き平次は駅の方へ向かった。

















 ・・・・・後に残されたのは、快斗と探。





















「そんじゃ俺も・・・・」

「黒羽君」

「・・・何?」

「そろそろ機嫌、直してくれないか」

























 困った表情の探。



 2人はしばらく、そのまま向かい合っていた。


































ひとくぎり

























 地下を通り、反対側から新一が出てくる。

 そこには平次が待っていた。















「どうだ? あの2人」

「んー・・・・ 何かまだミョーな感じやな~」

「ったく。あいつら喧嘩したら長いからな」















 そろそろ暗くなってきた。

 ひょっこりと2人が、地下への入り口付近から今別れた場所を覗く。









 快斗と探。

 高校からの付き合いだという彼らには、新一と平次が知らない何かがやっぱりあり。





 ときたま、こうした事になる。















「俺達がいたら、結局いつも通りだからな」

「せやけどホンマ目ぇ合わせへんかったな~ あいつら。会話はいつも通りしとるのに」

「・・・・早く仲直りすりゃいいけど」

「殴り合いでもすりゃ、スッキリすんのになあ」













 そう。

 探と快斗の2人は、実は喧嘩していたのだ。













 ・・・・・・原因は解らないけど。





 だからこそ、これからの時間は2人にさせた方が良いだろうという結論で、こういう事態になっている。

















「俺らどうする?」

「せやったらちょお買いモン付きおうて。やっぱアレ買うわ」

「そういや、お前さっきどこ行ってたんだ?」

















 そうして新一と平次は再び夕暮れの街へ。













・・・・その後、どこかの地下で日本酒を買った新一が平次のマンションへ押しかける事になる。












































Fin