月齢14.9の夜



「キッドから予告状が届いたって?」

「ああ。中森警部が必死に頭ひねってるよ」






 予報では良好とされていた天候が、激しく狂い荒れているここ数日。

 休みもあと2日となったこの日、彼らは米花シティービルの中にあるレストランで食事をしていた。






 手元のコピーを手にしているのが工藤新一。

 今や警察関係者だけでなく、日本でも知らぬ者はいないであろう若き探偵。



 そしてその右隣が黒羽快斗。

 新一と良く似た顔立ちの彼は、手先が器用で父親譲りの奇術の腕前を持っていた。



 







「・・・・ゴールデンウイークの人出が多い時期に、大変だな」

「白馬。お前んトコの系列タワーやったっけ? そん展示会場って」






 そしてその更に右隣。新一の正面に当たる所に座っているのが白馬探。

 警視総監である父親を持ち新一と同様に東の名探偵と呼ばれる事から、世間では2人で『東の双璧』というユニット名まで付けられている。

 

 最後に探の右隣。つまり新一の左隣になるのが服部平次。

 探と同じく父親は警察関係者で、大阪府警本部長である服部平蔵がその人だ。



 



 







 ・・・・・・彼らは出逢うべくして出逢った4人であった。

 






















「そう。だから、ご希望とあらば潜り込める。どうする?」

「簡単過ぎやもんなー・・・・・ホンマにこれキッドが作った暗号なんか?」

「俺らにとっちゃ解りきってる事でも、『俺』を知らない奴らにとっちゃ一生解んねえだろ」

「そうか。キッドって結構、新一に化けてたみたいだし。誕生日くらい知ってるか」












 午後を少し過ぎた頃だった。



 ゴールデンウイークを利用して、平次は東京の工藤邸に遊びに来ていた。

 さあ昼食は何にしようかとキッチンへ向かった時、新一の携帯が鳴ったのだ。



 するとそれは白馬探。

 何でも、警視庁にメールでキッドからの予告状が届いたと言うのだ。





 いつにも増して警部にはちんぷんかんぷんな暗号の様で。

 探には、父親から直ぐに連絡が入ったらしい。










 ・・・・・・勿論、彼は転送されてきたその暗号を見た途端に解ったのだが。


 もうひとつの『意味』があったから、こうして新一も呼んだのである。



 






「それにしても君まで来るとは思わなかったよ。東京に来てたんだ」

「悪いか。こんなオモロイ話、ないからな―――――・・・それより俺は黒羽が居る方がビックリや」

「何でだよ」

「せやかて自分、昨日の夜まで室蘭に居る言うてたやんか」






 そうなのだ。

 新一が夜遅くまで電話しているから、一体誰にと思っていて後で聞いたら『快斗だ』と言われたのだ。



 なのに今目の前にいるという事は朝一番の飛行機で帰って来たのだろう。

 新一も聞いていなかった様で、ここに来て会った時かなり驚いていた。






「当たり前。明日新一の誕生日だぜ? 真っ先に『おめでとう』って言うの、俺なんだからさ」

「さよけ」

「そ、それで白馬。中森警部に教えたのか」






 自分に真っ直ぐ好意を示す快斗。

 未だそれに慣れない新一は、表情には出さない分、少し言葉をつっかえてしまう。



 またそれが解る快斗は、そんな彼の態度が可愛くてしょうがなかった。










 ・・・・・その様子に半ば呆れながら、探は答える。










「いいえ?」

「って・・・・・・教えないのか?」

「たまには自分達で解読してもらおうかと・・・・・・それよりどうする? 時間は今夜の24時だ」

「行こうぜ。上手くすっとキッドに会えるんだろ? 俺、まだ実際に会ったことないからさ」

「・・・・・・そりゃそうだろうね」
















 快斗の言葉に探は間をおいて微笑う。

 すると他の2人も、同じ表情をしていた。





























 ――――――――――・・・・・・『怪盗キッド』は、『黒羽快斗』。




















 東と西の探偵達は知っている。



 そして、快斗も知っている。
















 ・・・・・・・・知っていて『知らないフリ』を、し続けていてくれている事を。

































 それは解っているから。





 怪盗キッドは、『何か』の為に『ビッグジュエル』と呼ばれる宝石を探し続けている事を。

 そして。

































 ・・・・・・・そのビッグジュエルの中に眠る『何か』を探し出せれば、(キッド)の戦いも終わるであろう事を。

































 例えその行動が、世間一般には犯罪と呼ばれているとしても。

 何を言っても聞かない彼の性格も解っているし、そうしなければならない彼の宿命が有るという事も、解るから。



 だから。























 『探偵』として彼を追いかけながら・・・・・・心の奥で早くそれが見つかれば良いと願っていた。






























ひとくぎり

































 光の魔神 生まれし刻   
藍色琥珀猫(ブルー・アンバー・キャット)の元、我、参上する



 そして窓より導き光 生まれし碧き雫を 魔神へ贈る







 怪盗キッド































「探さま? 今日はどうされたんですか」

「いつも警備ご苦労様。これ、差し入れです」

「え!? い、良いんですか?」






 夜も更けた23時半頃。

 探は東都ニュータワーの警備室に現れた。



 手には、有名洋菓子店風のワッフルと暖かい珈琲を持って。






「近くまで来たので寄ってみたんです。今の所は何事も無いみたいですね」

「はい。中森警部が『いつキッドが来るか解らないから、徹底して見張れ』と仰っているので、我々も交代で警備に当たっています」

「今回の暗号は難しいみたいですね」

「探さまにもお解りにならないのですか?」

「もう少しという所かな。まあ、冷めない内に飲んで下さい。僕はこれで」

「は、はい! 有り難うございます!」








 極上の笑みを浮かべ、探は手土産を渡すと警備室を出た。

 勝手知ったる何とやらで裏口へ廻ると、3人の影が彼を迎える。








「状況はどうだ?」

「警備は3人。5時間交代制だから、3時まで大丈夫」

「・・・・・ここ完全コンピュータ制御やったっけ?ほんなら、眠らせたら安心やな」

「後は最上階の展示室か。あそこにも制御室あんだろ?」

「そう。僕が今からその制御室に行くから、あと10分くらいしたら連絡してくれ」

「解った」






 そこに居たのは新一、平次。そして快斗だ。

 闇に紛れやすい黒の上下で揃えていた彼らは、小声でそう囁き合うと再び探を見送った。









 ここは東都ニュータワー。

 探の叔父が経営する、最上階に展示室が設けてある今年オープンしたばかりのビルだ。



 ここではゴールデンウイークの4日から『世界の宝石展』が開かれ、中でも藍色琥珀(ブルー・アンバー)と呼ばれる宝石の黒猫像をキッドが狙っているとして、前評判は上々らしい。








 ただし、開催期間の5月4日から22日までの約3週間の間。

 そのどの日にキッドが現れるのか、まだ警察は解読していない。




 それならばと中森警部は、とにかくその間ずっと見張れば良いと考えた。

 父親に聞いても、開催当日から昼夜ずっと警官を配置するのだと言っていたのだ。





 だから探は作った。

 滅多に披露しないプロ顔負けの腕で、ワッフルを。



 まさか雇い主の親族である自分の差し入れを、残しはしないだろうから。








 ・・・・・・もちろん中には少しばかりの眠り薬。













「工藤て零時ちょうどに生まれたんか」

「どうだろうな。聞いたことねえけど」

「けど何で『光の魔神』なんや? 確かに『魔神』ちゅうのは工藤っぽい思うけど」

「・・・・ケンカ売ってんのか?」

「さあ・・・・高校ん時に占いやってる変な女がいてさ。時計塔の事件でキッドが出た時に、ヘリに乗ってた奴の『気』がそうだって言ったんだ。それ、新一だったんだろ? 最近知って驚いたぜ」










 外は風が唸っている。

 大型連休の天気は当初の予報を大きく外れ、全国的に寒く大荒れしていた。



 今日も3月並みの気温に下がり雨も強く降っていて、夜になって少し小降りになってきた程度である。







 ・・・・・・扉がガタガタと揺れるのを見詰めながら、新一は聞いた。
















「俺が『光』なら、『闇』は誰だって言ってた?」

「へ?」

「―――――・・・・・・光有るところに闇有り。って言うだろ」

「ああ・・・・・あの話の流れから言ってキッドの事じゃねえの? なんたって奴は『罪人』だからさ」

「そうか」

「・・・・どうかしたのか? 新一」

「いや。人間は誰もが『光と闇』を持って生きてるんだ―――――――・・・・・俺にだって『闇』はあるし、キッドにだって『光』の部分は必ずあるだろって思ってさ」

「工藤・・・・?」

「面白い事言う女じゃねえか。会ってみたいよ」

















 快斗も平次も、しばらく言葉が出なかった。

 それは新一の何か言いたげな表情を見たからだけではなく、何というか・・・・・・・






 ・・・・・自分に言い聞かせている物言いが、気になったからだ。





























 光と闇。

 人間は、善悪で成り立つ生き物だ。





 それぞれの心の中に必ず住まう感情が、時に善になり悪になる――――――――――・・・・・・

























 工藤新一。

 そして『怪盗キッド』である黒羽快斗。





























 ・・・・・なあ、快斗。









 もしかしたら俺達は――――――――・・・・・・知らない何処かで繋がっている『ひとつ』の個体なのかもしれないと、思う時があるんだ。







































「・・・・新一、おい新一ってば!」

「へっ?」

「白馬から連絡来た。あっちも眠ったって」

「そうか、行こう」

「まずこっちやな」






 その時、肩を揺さぶられ新一は我に返る。

 最上階にいる探からGOの合図が来たらしい。



 3人は立ち上がると、さっき探が差し入れをした1F奥の警備室の様子を見る為に進む。

 そして物音がしないのを確かめると、ゆっくりと扉を開けた。








 ・・・・・・煌々(こうこう)と電気が付いている中、テーブルに項垂れている警備員が3名。








「よし。入るぞ」

「すげーな白馬。あいつ手製のワッフルだぜコレ」

「感心しとる場合か。早よモニタに映っとる展示室のセキュリティー、解除せえや」

「解ってるっつーの・・・・・・えっとー、まず最初に本庁と外の管理本部に通じてるケーブルを入れ替えて・・・・・うし。これでニセの映像が流れるから、後はココをこうして・・・・・・ほい、完了!」

「制限時間は?」

「余裕の1時間。ゆっくり楽しめるぜ」










 にっかりとピースをする快斗に新一も微笑い返す。

 その鮮やかな手さばきに、平次は『さすがキッドやな・・・・・』と感心した。



 そして余計な痕跡を残して居ないことを確かめる。

 3人は、静かにその場を去った。
































ひとくぎり































 40階建てのビル。

 エレベーターから見える景色に、3人は目を奪われる。










「すげえな。これで天気さえ良ければ最高なのに」

「せやけどこれもええ眺めやで」

「・・・・空からは無理だな。キッドの奴、どうやって来る気かな」

「そうだな。俺らの誰かに化けてんじゃねえの?」








 くすくすと微笑い合う3人。

 それこそ狸の化かしあいな会話が、静寂な空間に響く。



 やがて浮遊感が消え、扉が開いた。








「やあ。順調かい?」

「お前のワッフルはイケるらしいぜ? 全員、残さず食ってた」

「それは良かった。作った甲斐がある」

「白馬。そっちはどうだ」

「セキュリティも全て切ってある。完璧だよ」

「お見事。お前探偵よりこっちの方が向いてんじゃねえの?」








 降りて直ぐ右側にある、展示室専用の警備室。

 ここは世界有数の芸術品を展示する事も多いから、このフロアだけ更にセキュリティを掛けられる様になっているのだ。



 覗いてみると、1Fと同じようにテーブルに突っ伏している警備員が見えた。













 ・・・・・新一が腕時計を確認する。

 現在、23時56分。





















「行くぞ」

「おう」

藍色琥珀猫(ブルー・アンバー キャット)はこっちだ。奥の、硝子に面した・・・・・・・最高の場所にある」





































 探が案内したのは、会場に入って一番奥。

 東京の夜景が一望出来る場所だった。



 その真ん中に、大きな黒猫の形をした像が展示されている。

 キャッツアイに当たる石が、時たま顔を覗かせる月の光を反射していた。












 ・・・・4人はゆっくりそれに近付いて行く。

























「これが―――――――・・・・・・この頭全部が、宝石なんやろ」

「そう。この像は最初頭の部分しか無かった。身体は後で創られたんだ」

「これだけの大きさのは珍しくて貴重なんだってな。けど、なんかこいつ新一に似てねえ?」

「は?」

「プライド高そうな顔してるし。綺麗な目、してる」

「・・・・あのなあ」








 手袋をした手で快斗は猫の頭を撫でた。

 新一は褒められてるのかけなされているのか解らないその言葉に、息を付きながらまた腕時計を確かめた。







 ・・・・・もうすぐ時間だ。

 そう思った、瞬間だった。

























「あ・・・・」































 あんなに曇っていた空が、急に光を放ち出した。



 風が強いからだろう。

 雲の切れ間から、月が顔を出したのだ。

















 ・・・・・・・それを見た新一が魅入られたように呟く。





































「今日――――――――・・・・・・満月なのか・・・・・・・?」





























 それは見事なまでの月だった。

 24時きっかりに薄暗く陰っていた空が明るくなり、丸い月が4人の前に姿を現していた・・・・・・・




























「違うよ。新一」

「え?」

「今日は満月じゃない。満月は明日だ――――――――・・・・・今日は、月齢14.9の夜なんだ」

「・・・・・快斗」


























 いつの間にか快斗が窓際に立っていた。



 月を背にして。

 夜景を、従えて。

















 ・・・・・表情は逆光でよく見えなかった。



































「工藤君! 像から何か光が・・・・・!」

「!?」

「何やこれ・・・・猫の頭から入ってきたんが、目えで交差して・・・・・・・・・」



















 その時、探に呼ばれ新一は像に振り返った。

 平次もその前で起こる不思議な現象から、目が離せないでいた。



 何が起こってるんだろうと急いで戻る。



















「どうした?」

「見ろや・・・・・・・・目から出とる光、何か差しとるで」

「え?」













 平次に言われた通り視線を移すと、月と像を直線で結んだ先に箱みたいなものが見えた。

 新一はゆっくりとそれに近付くと手に取る。







 それは・・・・・・・























「おや。随分と可愛らしい箱じゃないか」

「リボンまで付いとる。ちゅうか・・・・・・来た時こんな箱、無かった気いすんねんけどな」

「開けてみたら? もしかしたら、キッドから名探偵への誕生日プレゼントかもしれないぜ?」

「・・・・快斗」



















 小さな白い箱だった。

 手のひらに収まるそれには、リボンが掛けられていた。



 この状況を楽しんでいる3人。













 ・・・・・・そして新一は『暗号』の最後の意味を思い出した。



























「まさか『生まれし碧き雫 魔神に贈る』って・・・・・・・これ?」

「そうだろうね。この状況じゃ」

「ホンマにキザなやっちゃな~。ライバルの誕生日にまで贈りモンかいな」

「それより新一。開けてみてよ、何入ってんのさ?」

「あ、うん」










 4人は窓際へ移動する。

 月が出ているとはいえ、闇に近いこの場所では解りにくい。



 ・・・・・そろそろと箱を開けた。














「翡翠だ・・・・」

「ほー。綺麗やな、ピアスか」

「キッドは工藤君の事が本当に好きなんですね。ちょっと羨ましいな」

「は?」

「そうみたいだぜ~? 何たって5月の誕生石の翡翠は『持っている者を幸福に導く』って言うからな」

「何言って・・・・あれ」
















 その時だった。

 彼らの視界が、急に暗くなったのだ。



 どうやら月がまた雲に隠れたらしく、其処はまた闇が支配してしまった。


















・・・・探は、小さく息を付く。














「戻りましょう。そろそろ元に戻しておかないと、彼らも目覚めてしまう」

「・・・そうだな」

「結局キッドは出て来なかったなー。残念」

「何言うてんねん。『出た』から工藤にソレ、置いてったんやろ?」

「まあ、そうだろうけど」












 警備室へ入り、映像を元に戻す。

 痕跡を残してない事を確認すると、扉を閉めエレベーターに向かった。



 来た時から待機しているそれに、乗り込む。

















 ・・・・・・・地上へ降りる僅かな間、彼らはまた降り出した雨を眺めていた。
































ひとくぎり




















 光の魔神 生まれし刻   

藍色琥珀猫
(
ブルー・アンバー・キャット
)

の元、我、参上する

 そして窓より導き光 生まれし碧き雫を 魔神へ贈る

 怪盗キッド












 工藤新一が生まれた日。それがキッドの予告日。

 日付が変わる頃に、新一はこの世界に生を受けた。



 『我、参上する』

 キッドは来ると書いてあるが、『現れる』とは言っていない。



 だから姿は見ることが出来なかった。










 ・・・・・・窓からの月明かり。




 その時間に差し込む僅かな光が藍色琥珀を通じ、ある一点を指し示していた。
























 在ったのは、綺麗な翡翠のピアス――――――――――・・・・・・・































「中森警部さ。展示終わる日まで、ずーっと張り込むんだろうな」

「仕方ないさ。暗号、解けないんだから」

「でもまあ良いんじゃないか? 像はあのままって事は、結局奴の狙うシロモノじゃなかったって事だろ」

「ちょお白馬、このワインも空けてええんか?」












 4人はそれから白馬邸へとやってきた。




 刻すでに25時半。

 そろそろ眠くなる筈なのに、まだ興奮冷めやらぬのか寝付けない。



 だから、寝酒としてワインを飲んでいた。












「あー!」

「な、何や黒羽?」

「忘れてた! 俺、12時きっかりに新一に言おうと思ってたのに!」

「あ。工藤君、誕生日おめでとう」

「一足先にお兄さんになってもうたな~。ほい、おめでとさん」

「コラそこ2人!! 俺より先に言うなっての!」

「・・・・・あ、ありがとな」












 探から借りた揃いの寝間着を4人は着ていた。

 ばあやさんが持ってきてくれたのだが、柄がトランプなのだ。



 探がダイヤ。快斗がクローバー。そして新一がスペード。そして平次が何故かハートだった。








「何で俺がハートやねん・・・・工藤の方が似合うやろが」

「冗談。俺はどっからどうみてもスペードだろ」

「俺は速攻クローバーだったな・・・・・まさか白馬」

「そうだよ? 君の名前、クロバだろう」

「・・・・・」










 それはシャレのつもりか?

 快斗はがっくりと項垂れるが、ハートよりはマシだと立ち直る。




 そんなこんなで騒いでいる内に・・・・・どうやら瞼が重くなってきた。


















「そろそろ寝ようか」

「・・・・ああ。まだ明日もあるしな」

「起きたらどこ行きたい? 新一の好きなトコ行って、好きなモン食べような!」

「白馬・・・・こっちのベッド借りるで~」

「空いているの適当に使って構わないよ」














 探の部屋の隣に、客用の寝室が用意されている。

 客用のベッドは全部で3つ。ちょうどいい数だった。




 新一と快斗。

 そして平次がのそのそとベッドへ潜ると、すぐに吐息が聞こえてくる。



















 ・・・・・・・血統書付きの猫2匹と犬1匹って所かな。




















 そんな風にちょっと見えてしまったから、探は思わず微笑ってしまった。


































ひとくぎり



























 風は止んだようだ。

 雨も、上がったらしい。









 ・・・・・・キッドの仕掛けたプレゼントは、無事に彼の耳元に届いた。































 今日は月齢14.9の夜。

 月の魔力が増す夜――――――――――・・・・・・・









 そして。





































 その翡翠がもたらす『幸福』が、確かに君に届きますように・・・・・・・




















 ・・・・・・そう願わずにはいられない、夜。















































さあ。



今日は、大切な君に何をしてあげようか?












































Fin